福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -025/038page
研修者研究報告
生徒指導を充実させるための共通理解の深め方
一「一日の生活のリズム」の確立を中心として一いわき市立貝泊中学校教頭 米 本 公 久
(前いわき市立赤井中学校教諭)1.研究の趣旨
すべての教職員が,生徒指導の在り方について共通理解にたち,一致協力して指導に当たる体制を確立することは生徒指導の成果を上げるための不可欠の要件である。
本校は,学級数6,生徒数226,職員数15名の中規模校である。保護者は共働きが多く教育的関心度には大きな格差があり,価値観の多様化もみられる。全体としてはしつけは十分とはいえず学校に対する依頼心が強い。これまでは生徒指導上の大きな事故や問題行動もなく教職員の共通理解による協力体制がとられ実践されている。
しかし,本校の生徒指導の現状を反省すると
(1)基本的生活習憤がなかなか確立しにくい。
(2)教師間に年齢,経験の違いからくる考え方の差異があり,指導の足並みの不一致がある。
(3)教師間の相互理解がやや浅い。
(4)地域や保護者との連携が不足しており,生徒指導や学校に対する理解が不十分であり,協力が得られにくい。などの問題があげられ,生徒指導が共通理解のもとに十分な効果を上げられない状況にある。
そこで,ここでは教師の問題を取り上げ,本校の生徒指導の要となっている「一日の生活のリズム」の確立にあたっては,教師が共通理解をはじめとする,教師側の問題が大きなポイントになると考え,この主題を設定した。
2.研究の見通し
「一日の生活のリズム」で求められる生徒像をより明確にし,学年会において,指導の機会,指導の内容,程度,評価の方法について検討しあえば,共通理解が深まり,生徒指導が,より充実するであろう。
3.研究の方法と対象
(1)研究の方法………………省略
(2)研究の対象
本校教師11名第3学年生徒85名
4.研究の内容と推進計画
5.研究の概要と考察
(1)研究の概要
1.「一日の生活のリズム」で求める生徒像の明確化
教師の指導観,生徒観の違いから指導の足並みの不一致がみられ「一日の生活のリズム」の確立が図られない。この主な要因としては,求める生徒像に対する共通理解の不足からくるものと思われる。そこで,求める生徒像に対する意識調査をもとにして,生徒指導全体協議会の場において検討,改善を加えた。
2.学年会での共通理解
ア研究の構想・内容
○学年会の運営についての問題点
・学年会の時間が週一回(水曜日5校時)設定されているが,場あたり的で計画性がない。
・学年会が連絡・伝達事項に終始し,生徒