福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -027/038page

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の自覚とか,望ましい自己を形成し,自ら思慮深く考えながら行動する人間としての力を,「一日の生活のリズム」の習得の過程で内面に形成することがいっそう重要である。そのために,共通実践の場を設定して実施した。

(2)研究の考察

1.研究実践の考察

ア学年会の運営の改善について

<調査1> 学年会が生徒指導を推進する場になっていますか。(学年教師4名)

<調査1>
週ことに話し合いの枠組みを決めて実践した結課,話題も豊富になり深まりがでてきた。このように,先生方の生徒指導に対する積極的な姿勢が表れ,学年の職員相互の人間関係も一層向上した。

イ指導の機会・内容・方法・評価の検討

○教師の変容(学年教師の感想より)

K教諭(女,副担任)

私は,今まで口先だけで生徒にやらせることばかり考えていたが,自分自身も率先してやってみると,子供達に無理を言っていることも分かり,生徒の立場に立って物事を考えるようになった。また,同一歩調で指導していると思うと心強い。

T教諭(男,担任)

指導を強めるだけでは限界を感じていた。そのようななかで内面的な指導を学年共通の指導案の元に実践されたことは意義が大きい。また,「教師が率先してやってみよう」と言う考えで実践したことも,教師と生徒の信頼関係がより太くなった。

<考察> 指導の場,内容,方法を明確にしたことば若い教師にとって指導上自信を深めることができた。また,外的指導と内面的指導を並行し,指導の重層化を図ったことも教師と生徒の人間関係を高め効果が大きかった。

<考察> 全体として良い方向に改善されている。しかし,指導の手がゆるまると評価が悪くなる。まだまだ内面化の不足と教師が根気強く繰り返し指導することの重要性を示していると考えられる。

○生徒の変容 調査2 「あいさつ」「チャイムと共に着席」「宿題や忘れ物」(生徒)

<調査3>「一日の生活のリズム」の確立について(生徒)

2.研究の全体考察

生徒指導の難しさは,単に,家庭教育の問題だけでなく,「教師の協力体制」が不十分なために起こることが多い。そこで,教師側に視点をあて実践した結果次のような変容がみられた。

ア今までは,学年教師一人一人が自分の経験と勘に頼って指導していたが,同一歩調て進もうとする芽が生まれ,学年教師間や生徒と教師間の信頼関係も向上した。

イ我々教師が率先垂範することは,無言で生徒に訴え「教師の変容」とともに生徒たちの姿勢にも変化が見られるようになった。

また,「心の教育」の重要性についても再認識した。

生徒指導の成否は,我々教師一人一人の「やる気」の問題ではないかと思う。この面からも,教師側に視点をおいて実践したことは誤りではなかった。

6.今後の課題

(1)人間としての生き方,在り方の自覚まで高めるためには,内面的な指導をより一層充実しなければならない。

(2)教師の粘り強い指導と反復繰り返しの指導が必要になってくる。

(3)今後は,地域や保護者との連携を図っていく必要がある。


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