福島県教育センター所報ふくしま No.95(H02/1990.6) -007/038page
所員個人研究 _(小学校算数)
小学校におけるパソコンの効果的な活用について
科学技術教育部 田 村 尚
1. 研究の趣旨
小学校指導書・教育課程一般編で,「コンピュータについては,慣れ親しませることを基本とし,教科の指導において指導の効果を高める観点から利用すること」と述べており,現在学校でいろいろな場面や方法でパソコンが活用されている。
本研究では,授業でのパソコンの効果的な活用という視点から,教科の目標分析を行い,学習内容や活動の流れを明確にし,パソコン利用の場を位置づけた授業のあり方を追求することとした。
そこで,次のような方向で研究を推進することにした。
1.授業を実践する学級を対象に「パソコン利用についての調査」を実施し,考察する。
2.パソコンの多様性を生かした,CAI教材を作成する。
3.パソコンを取り入れた授業について,教材研究・授業設計・実施・評価を通して有効性を探る。
4.児童の自己評価等も含め,CAI教材の教科指導への有効性を探る。
2. バソコンを利用した算数科の授業
(1)授業実践における研究内容
1.算数科とパソコン利用との関係
算数科は,数・量・形の概念を具体的な事物・現象から抽象し,形成して,これらの概念に通じる原理や法則を発見したり,ものごとを数・量・形の観点から処理し,判断したりする資質を伸ばすことにかかわるもので,児童の発見的・創造的能力を培うのに適した内容や構成をもっている教科である。
このため,パソコンを利用した算数科の授業では,児童の数理的な興味や関心を高めさせ,教科のねらいの達成をより確かなものとするため,パソコンを教具として活用するとともに,パソコンの持っ機能を十分に生かした授業形態に力点を置く。
2.パソコンを効果的に位置づけた指導過程
パソコンを位置づけた指導過程では,一人一人の学習状況に応じて,個別化を図るとともに,一斉学習を効果的に関連づけて学習の効率をあげるようにした。
また,市販の教育用のソフトウェアと,児童の実態に即して作成した学習ソフトウェアを授業で活用していけば,学習に対する意欲や知識・理解がより高められると考えた。
3.目標を明確にするための教材分析単元の目標を分析すれば,指導内容や