福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -006/038page

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第3時の結果から個人に目を向けると理解不十分と思われる児童が数名見られる。その中でもNo15、10、24の児童は2問しか正解していない。No8、36は注意係数が高く、学習状況の不安定が考えられる。これらの結果から第4時には留意して指導した結果それぞれ80〜100%の正答率となり、学級全体としても30%程度正答率が向上した。このように、前時の結果からの反省を次時に生かすとともに、A、Dクラスの実践から明確にされた指導の問題点や反省をもとに改善や修正の方策を探りながらB、Cクラスで実践する体制を整えた。授業についての反省や研究の時間は検証授業を実践した日の放課後の30分〜1時間をあてた。

(2)検証と考察

事後テストの結果から
クラス A B C D 平均
事前 86.1 78.9 80.0 83.2 82.1
事後 95.3 86.4 85.4 90.3 89.4

正答率の向上から、指導の効果を認めることができるが、研究のねらいであった各クラス間の差を解消するということは結論付けられない。この研究の中で各クラスともそれぞれ同様の効果があったためと思う。しかし、S-P表(省略)から問題別の分析を試みると事前テストにおいて特に問題とされた内容の正答率は向上しており、指導上の工夫改善が有効であったことがわかる。
総括的評価の比較から


1学期の各単元末テストの結果の平均と検証単元との正答率の比較は次の通りである。

単元テストの比較

3.研究のまとめ

 効果的な指導のためには、評価と指導の一体化は重要な要素である。しかし、日常的な実践が容易でないことも事実である。本研究においてコンピュータ利用によるS-P表の授業分析はその解決のために有効であることは確認された。授業改善のために有効なソフトの利用研究は今後さらに大事にされなくてはならないだろう。
また、評価結果を大切にした授業研究を通して教師各人の指導力の向上を図る校内研修、学年研修のあり方についても、校内の主題研究とは別の視点から充実を図ることがより重要になってくると思われる。
参考文献
「新しい時代の教育工学」 電気学会
「S-P表の活用」 佐藤隆博


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