福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -013/038page

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所員個人研究ー(情報処理)

「情報基礎」におけるLOGOの活用

科学技術教育部 丹治 睦雄

1.はじめに

今回の学習指導要領の改訂により社会の情報化の進展に対応するために、中学校技術・家庭科に「情報基礎」という領域が新設された。この「情報基礎」は、コンピュ一タの操作等を通じて、その役割と機能にっいて理解させ、情報を適切に活用する基礎的な能力を養うことを目標としている。
指導内容として、「コンピュータの利用分野」を理解させるために「制御」を扱ってもよいことになっている。制御学習の教材教具として、ワンチップマイコン(4ビット)等の利用も考えられる、パソコンを使ったプログラミング学習との一貫性を保持しようとする場合、ワンチップマイコンよりパソコンをシステムの中心に置いた制御学習の方が効果的ではないかと思われる。
このことから、本研究は、ごく初心者向けに開発されたLOGOというコンピュータ言語を取り上げ、プログラミングの学習との一貫性を図りながら、コンピュータの利用分野としての制御学習のあり方について追究を試みたものである。

2.プログラミング学習と制御学習の一貫性の保持について

新学習指導要領では、特にどのコンピュータ言語を使用するようにという明示はない。コンピュータ言語として一般的なBASICを用いても、両者の一貫性を保持することは可能である。しかし、制御用プログラムが難しくなり、中学生には、理解しにくいのではないかと思われる。
そこで、初心者にもプログラミングしやすくて、制御用のコマンドによって容易に制御プログラムが組めるLOGOというコンピュータ言語を取り上げてみた。
LOGOによる制御の利点は、システムの中心がパソコンにあるために、プログラミング学習の延長線上に制御を位置づけることができるという点である。
現在、LOGOによる制御のために、プリンタ・インターフェースが開発されており、手軽に制御学習ができるようになっている。

3.LOGOによる制御

制御する対象は、身近にある素材(プラモデル)を取り上げ、2個のDCモーター(マブチモーター)を制御し、プログラム通りにプラモデルを動かしてみた。
図一1は、ロゴライターというLOGOとプリンタ・インターフェースを用いた制御の構成図であり、図一2は、制御に用いるプリンタ・インターフェースの外観である。


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