福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -015/038page
「情報基礎」指導計画の作成を通じて、指導内容の精選と重点化の必要性を痛感した。
本研究では、身近な素材(プラモデル)を制御対象として、プログラミングの学習と制御の学習の一貫性を保持するという視点で、LOGOの導入を追求してみたが、指導内容の精選と重点化を図るためにもLOGOは、有効であると思われる。
(総時数30時間)
資料1 「情報基礎」指導計画(試案)
指導内容 時間 学習活動 留意事項 日常生活とコンピュータ 2 ・家庭や社会のどんなところでコンピュータが使われているかを調べる。
・身の回りにある電気製品の中にもコンピュータが使われていることに気づく。
・コンピュータが果たしている役割を考え、コンピュータや情報の役割に興味を持つ。・コンピュータと情報の学習への興味を奮起するように配慮する。パソコンやゲーム機の保有状況を調査し、学習計画の立案に生かすようにする。 コンピュータの働きとしくみ 2 ・コンピュータと人間の違いに気づく。
・コンピュータの5大機能について知る。
・コンピュータの周辺装置の名称と役割のついて理解する。
・ソフトウェアの働きと必要性について理解する。・5大機能とコンピュータの周辺装置を関連づけて理解できるようにする。このときRAMとROMの違いを正しく理解させる。
・コンピュータ自体は無目的であり、ソフトウェアがコンピュータに目的を与えることをはっきり理解させる。コンピュータの操作とソフトウェアの利用 12 ・フロッピーディスクの取り扱い方、キーボードのキーの名称などコンピュータを操作する上で必要事項について知る。
・コンピュータの正しい起動と終了の仕方を知る。
・ソフトウェアを利用して、コンピュータを動かしてみる。
・日本語ワードプロセッサー
・図形処理
・表計算等のソフトウェア・コンピュータを扱う上での基本的内容であるから十分に指導を徹底させるようにする。間違うとソフトウェアの破損につながるため、その点も強調する。
・実際パソコンに初めて触れる生徒のためにも、キーに十分慣れるようにする。
・いろいろなソフトウェアを使用して、コンピュータの活用範囲の広さを理解させる。簡単なプログラムの作成 8 ・プログラムの必要性について理解する。
・LOGOを用いて簡単なプログラムを作成し、それによってコンピュータが作動することを確認する。
・文字入力
・コマンドの入力と実行
・プログラム(プロシージャ)の作成
・LOGOの特徴ある処理の体験(リーカージョンとリスト処理)
・作品製作・コンピュータ言語の種類にも軽く触れる。
・亀(タートル)動かして絵を描くOGOの面白さを十分に体験できるようにする。
・LOGOには、いくつかの特徴ある機能があるが、生徒の実態に応じて弾力的に指導できるようにする。コンピュータの利用分野 4 ・コンピュータ制御とは、どんなものであるかを身近な例を通じて理解する。
・LOGOで制御プログラムを作成する。
・LOGOの制御プログラムでLEDの点滅やモーターの制御を体験する。・制御の一般的な仕組みについて軽く指導する。
・既に学習したプログラム作成の経験を生かすように配慮し、インターフェースの意味と必要性を指導する。
・主なBBSネットや学校間の通信によりパソコン通信実際を体験させる。社会とコンピュータ 2 ・情報化社会は、これまでの社会とどんな点が違うか、考えや意見を出し合う。
・情報化社会でどんな問題が起こりつつあるかを話し合う。
・情報を扱うときに、注意すべきことを話し合う。・できるだけ具体的な問題点を例示して、話し合いがしやすくなるように配慮する。
・情報の扱い方しだいで被害者にも加害者にもなる場合がある、という両方の観点から問題点をとらえさせる。