福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -016/038page

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所員個人研究一(家庭)

住居領域における実験的教具の工夫と活用(小学校編)

ー見る・確かめる・生活に生かすー

科学技術教育部 武仲 晴美

はじめに

実態調査(小学校家庭科の現状と課題:所報90号によると、住居領域は最も指導しにくい分野で、実験・実習等の備品も大半が充足されていない現状にある。そこで、児童の意欲を喚起させ基礎的知識の定着を図るために、簡単な住居模型を作製し、次のような実験を試みた。


1.住居模型の作成

6年生の「住居と家族」領域の住居に関する目標を表1のように捉え、それぞれの目標に応じた実験が可能な模型を作成した。


<作成方法>
材料:アクリル版 25×25cm×6枚、接着剤セロテープ、耐熱ボード10×10cm


住居模型の作成

1.窓枠を接着剤でつける。2.BとB、CとCが向かい合うようにセロテープで貼りつける。
3.天板Aをのせ、同様にセロテープで貼りつける。4.窓に窓板をはめる。


表1 「住居と家族」領域の住居に関する指導目標
指導内容 育てたい態度 理解させたいこと 実験により確かめる事柄
通風 風の吹いてくる方だけでなく反対側の窓もあける。 窓を二つ開けないと効果てきでない。 窓の開け方により風の強さはどうかわるのだろうか。
換気の必要性 ストーブを使用する時は時々まどをあける。 室内で物を燃やすと酸素が少なくなる。 閉めきった部屋で物を燃やすとどうなるだろうか。
換気の仕方 換気をするときは、高い所にある窓と、低いところにある窓をあける。 汚れた空気は上の窓から、新しい空気は下の窓からはいる。 換気をするとき、空気はどのように動くのだろうか。
暖房のしかた 足元が冷えないような暖房をする。 暖かい空気は上にのぼる。 暖房すると室内の温度はどのように変わるだろうか。
保温の仕方 夕方になるとカーテンを閉める。 カーテンを閉めると、室内の空気は暖かく保たれる。 カーテンがある場合と、ない場合は温度はどう変わるだろうか。
明るいすまい 明るさのことを考えて、カーテンや壁紙を選ぶ。 周りの色により、部屋の明るさは違ってくる。 壁紙の色を変えると、部屋の明るさは、どのように変わるだろうか。
※騒音 音止 騒音をできるだけ、出さない工夫をする。 音は、周りのさえぎる材質によって伝わり方が違う。 音は壁の材質により、どのように伝わるだろうか。
※ 新学習指導要領より <P21に続く>

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