福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -026/038page

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研修者研究報告


できる喜びを味わい、楽しみながら基本的技能が高まるバレーボールのゲーム化の工夫

会津若松市立第四中学校教諭 酒井 完

1.研究の趣旨

(1)研究の動機とねらい


 バレーボールは生徒にとって興味関心の高い教材である。また一流選手のプレーを見慣れているせいか、鋭いスパイクやブロックを身につけたいと考え、バレーボールの技能に対する関心も高い。
 一方バレーボールにおける重要な技能としてサーブ、スパイクをあげており、パスやレシーブヘの意識は低い。<表1> 本校の授業でのゲームの様相はサーブレシーブのミスやパスミスによる得点が多く、三段攻撃やラリーが続くことは少ない。このようなことから学年が進むにつれて、興味関心が低下していた。そこで授業において、ルールや用具を工夫した生徒の発達段階に応じたゲームを取り入れることにより生徒が楽しみながら、技能を高めていくであろうと考え、この主題を設定した。


<表1> 生徒が考える技能の重要度


生徒が考える技能の重要度
2年男子120名9月実施
(2)問題点
1.ゲームからみた技能の問題点
ア.三段攻撃はデームの前半にはみられるが、後半の勝敗が決まる場面は直接返す場面が多い。
イ.サーブレシーブが悪いため、サーブでゲームが決定してしまう。
2.生徒の態度・興味関心の問題点
ア.バレーボールの興味・関心が低下することが多い。
イ.味方の技能の低い生徒また相手チームの低い生徒に対する配慮が足りない。
(3)原因
1.生徒側の原因
ア.基本的技能を軽視し、正規のルールでのゲームの学習を望む。
イ.基本的技能が身についていないので、ゲームが発展しない。
ウ.ゲームの勝敗のみにとらわれてグループの協力が少ない。
2.教師側の原因
ア.発達段階に応じた授業展開の工夫が足りない。
イ.基本的技能の重要性を理解させることが不十分であり、また技能を高める手だてが足りなかったため技能が高まらなかった。


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