福島県教育センター所報ふくしま No.96(H02/1990.8) -032/038page
アイディア紹介
立体的に見る東北地方の地震
さあ行こうぼくらは地底人
双葉郡浪江町立浪江中学校 唐木 義則
はじめに
「断層に巣くっきり(プレート境界が震源)」これは、1987年2月中旬の地方紙の紙面を飾った記事の見だしである。この記事は仙台管区気象台が発表したもので、「東北地方の太平洋側で頻発している地震の震源は、日本列島の下に潜り込むプレート境界の所で、東北地方の地震の震源地分布発生している様子が描き出された。」というものであった。
地震の学習をプレート理論で展開していきたいと考え、仙台管区気象台から資料を取り寄せ、授業で使ってみたが、平面的であるために、イメージとして広がりがなく、立体的に構成することができないため、プレートが見えてこないようであった。
1. 震源のモデル
そこで、東北地方の電源分布立体視モデルにの作成を計画し、気象台を訪問した。理科の授業の計画を話したところ快く必要な資料を作成してくれた。さらに観測機の説明までしていただいた。そんな1時間の間に、数回地震発生のベルが鳴り、係員が震源を求めた。その地震の震源はすべてプレート上であることを聞いているうちに、モデルが30p四方のTPシートだけではもったいないと考えた。
(1)モデルのねらい
1. できるだけ大きなモデルをつくり、震源を立体視させ、考察させる。
2. モデルの考察から、大陸プレートと太平洋プレートに気付かせる。
(2)モデルの概要
授業でモデルをつくりながら展開していくという考えから、できるだけ簡単に操作できる安価な材料とし、震源の深さを糸の長さで、震源を豆クリップで表わすことにした。
1.材料
ア. 厚さ0.5ox横90p×縦180pの透明アクリル板に、東北地方の地図を書き、天井から吊るすようにしておく。
イ. 糸2mを100本(釣り糸がからみにくくて良い)
ウ. 豆クリップ100個