福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -006/038page

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三津間安宏

提言

「開かれた学校」と教育センターの役割


次長 三津間 安宏

1. はじめに

 21世紀は目前になった。はたして学校教育はどんな進展をみせるのであろうか。急激に変化するとは思えないが、現代の社会的要請やかかえる学校教育課題に対しての、解決改善努力の動向から考えれば、大きな変革があることは事実であろう。

2. 21世紀へ向けての教育理念の提唱

 その教育改革動向の一つに、生涯学習体系に基づく「開かれた学校」への取り組みがある。このことは、先の臨教審の提言で一挙に具体化された。つまり、現状における学校教育の体質改善はもちろん、従来の「学校施設の開放」を越え、1.学佼施設の社会教育事業への開放 2.学校の管理運営への地域・保護者の意見等の反映 3.学校のインテリジェント化の推進 4.学校と他の教育・研究・文化・スポーツ施設等との連携 5.自然教室・自然学校等との教育のネットワーク 6.国際的に開かれた学校等が示されたことである。これは、今後の情報化・国際化・生涯学習化等に対応する学校教育そのものを抜本的に見直す視点であり、今後広く発展させる必要のある学校教育のあり方提言であり、21世紀へ向けての教育理念の提唱でもあろうと思われるのである。

3. 志向する三つの流れ

 このことを受けて、現在さまざまな考え方や具体策の提示がなされている。それをみると三つの大きな流れがうかがわれる。その一つは、現状の学校教育や教師の意識・変革・指導観や指導法の画一性・硬直性の脱皮をめざしながら、学校そのものが内部変革し、多様性、柔軟性、開放性を獲得し、さらなる活性化を図っていこうとするものである。二つめには、新学習指導要領の総則の最後にも「地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域社会との連携を深めるとともに、学校相互の連携や交流を図ることにも努めること」として、地域に開かれた学校の強調がなされたが、そのことに対する各校の努力である。三つめは、外部からの変革、つまり、生涯学習体系への移行、情報化への対応等の観点から、インテリジェント構想に基づく文教施設設備の拡充や、21世紀に向けての新たな学習環境の創造にかかわるさまざまな取り組みである。

 いずれにしても「開かれた学校とは、これからの時代と社会の変化に対応し、絶えざる自己改善(革新)を図ることができる学校を意味し、個性を生かす教育を、達成すべき教育理念(目的)として成立する。そして実現のための基本方針は、心の教育、基礎基本、


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