福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -009/038page

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備品等を児童生徒にもっと開放されていいものがあるように思われる。

 また、地域社会との関わり方として、1.地域の特質を授業内容に取り込み教材化する、2.児童生徒を地域に連れ出し、地域の自然、文化、社会の観察、体験学習を組織する、3.地域と学校、児童生徒が一体となって地域課題への取り組みをする、ことの重要さも指摘されている。

 つまり開かれた学校として何をどう取り入れるかの経営理念を明確に持つことが大事になってくると思う。

(4) 生涯教育を見通した学校教育について

 生涯学習の基礎となる部分において特に学校教育は、児童生徒に対して、体験学習や個性の伸長を図る指導を通しながら、1.学習への意欲を喚起する、2.学び方を習得させる、3.豊かな心を培う、という重要な役割を担っている。

 そこには、児童生徒一人一人の人生設計の基礎を培うための地道な努力と配慮が必要であり、長い人生の、ゆとり、充実、満足が持てるよう心の教育を着実に進めていくことが望まれている。

(5) 校長のリーダーシップについて

 校長の教育に対する見識=新しい時代を担う児童生徒に対する教育の見識を高め、それをどう学校の全職員に、地域に理解させ徹底していくか、今まで以上にますます、重要なものになると思う。

 新しい教育課程基準の意図を校長・管理職が十分くみとり、自分の教育理念を確立し、実際にそれを実行し、定着させていくには長期的な展望に立って自分の教育理念を学校の教育課題に反映させていく努力が求められている。

 また、教育課程基準改善の社会背景を確実にとらえて、早期に取り組むもの、長期にわたって取り組むものを十分吟味し、その実現へ向けてリーダーシップをとることが大事になってくる。

 また、専門職としての教職教養を高める計画的な研修の推進、新採用を始めとする若い教員への指導、そしてミドルリーダーとしての中堅教員の育成等についても、校長の指導性とリーダーシップがより求められている時代といえる。

3. 今後の努力点

 以上、学校経営の新たな視点から述べてきたが、こうした新しい時代を迎えている教育に対応していくために、次のような点について努力していきたいと思う。

(1) 学校経営講座を中心に講座内容を再検討し、講義等の研修内容を前記内容を加えたものに再編成する。

(2) 講師の先生についてもこうした時代の要請を取り入れた内容で講義を依頼する。

(3) 研究相談についてもこのような新しい課題に積極的に取り組むような援助指導と資料の提供に努める。

 そうして、研修が全体として新たな時代の要請に応えるものになるようにしていかなければならないと思う。そのため、私達も一層研鑽に励まなければな.らないと思う。


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