福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -013/038page
理科教育では、児童生徒が理科に興味関心を持つよう、観察実験の研修を重視している。身近な自然や地域の素材を生かした指導法の紹介、児童生徒の学習意欲を高めるための手軽な観察実験の方法の紹介、授業にすぐ利用できる教具教材の製作などを行っている。さらに、平成2年度から専門研修に野外観察をとり入れている。
技術・家庭教育では、新学習指導要領に対応するために情報基礎講座の研修者数を大幅に増加し研修の充実を図った。さらに、平成元年度からは家庭科の講座にパソコンの利用をとり人れている。
情報教育では情報化対応を推進するため、大幅な研修内容の見直しを行い、平成2年度から、小・中学校の教員を対象に小・中学校情報処理教育講座の研修者及び研修日数の大幅な増加を行い、研修内容の充実行った。研修内容は今までのプログラミング中心の研修から脱皮し、CAI関系、アプリケーションソフトの利用、学佼でのパソコンの利用法、情報化社会の進展による陰の部分もとりあげ、幅広い研修ができるようにした。
今後、科学技術はさらに発達し、それに伴う難題が多く生ずるであろう。このため、新しい時代に合った科学技術教育を推進するため、次の3点に力を入れたいと考えている。
(1) 児童生徒が科学に興味関心を持つための教材開発や指導法の研究を重視したい。これまでは知的な指導に重点がおかれ、観察、実験、実習が十分とはいえなかった。従って、身近な自然・地域を利用し、児童生徒が体験を通して学べる教材開発や指導法の研究が重要と考える。さらに、先端技術や新しい機器をとり入れ、新しい時代に合った研修並びに環境教育に関する研修を行うとともに、授業におけるバソコンの効果的な利用法の開発などを積極的に行う必要がある。
(2) 研修や研究を推進するためには理科、技術・家庭科の施設設備を充実しなければならない。現在は教育センター発足(昭和46年)当時のもの、または理科センターから引き継いだものが大部分である。機器が古く、性能も低いため、これからの新しい研修に対応することができない。先端技術の研修もできるように新しい機器の導入を積極的に進める必要がある。
(3) これからの教育は、個々に合った指導目標や指導計画を立て、教材の選択を図らなければならない。教員は、多くの教育に関する情報が必要になる時代を迎えている。これに応えるために、各学校と教育センターをオンラインで結び、教育に関する情報の提供を行うといった新しい形のサービスを考えていく必要があろう。この構想を実現するためには多くの条件整備と学校からの情報や資料の提供など、多くの協力が必要となる。
社会が進展し、学校教育も変わろうとしている。先人が残してくれた「心の豊かさ」と「すばらしい地球環境」を堅持」しつつ、科学技術教育の充実をめざし努力していきたいと考えている。