福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -018/038page
司会 高橋先生お願いします。
高橋 私は2年という短い期問でしたが、学習指導部長として人りました。事務引継ぎのとき、「本県の新しい教員研修の体系づくりに努力するようにいわれ、まず、教育センターの研修のあり方、研修内容をどうするかについて考えました。一番苦労したのは、研修の位置づけでした。それは、従来の講座、特に各教科講座の水準を維持していきたいと思ったことです。もう一つは教育センターの使命である「プロジェクト研究」を従来通りに継続していきたいと思ったことです。そのためには講座の時間数をできるだけおさえることが必要なわけです。総務課を中心にいろいろ話し合いをしました。教育センターの立場は貫けたと思います。具体的には、学習指導部が担当してきた各教科の講座やその他の講座がなくなってしまったわけですが、このことは学習指導部の指導主事の先生方には、当時は大きな抵抗感があったことが記憶に残っています。しかしながら、実際はこれら各教科の講座は、いわゆる「教員のライフサイクルにおける職能成長」を目指すという立場からの基本研修のなかにこれを発展的に解消したといいますか、発展的に統合したといいますか、そういう形で位置づけて継承しております。平成元年度から実施し、この形はよかったと実感しています。ただ、センターの先生方の講座担当時間数は2倍以上に増加したことも事実です。しかし、他の県の初任者研修のケースと比較しますと、本県のケースは成功した例として評価されています。
司会 ありがとうございました。こうしてお話をお聞きしますと、一口に「伝統と権威」などと申しますが、ご苦労も多かったのだなと感じます。ここで現在の教育センターの各部長から、県の重点や教育現場の二一ズに応えるべく「特に力を入れている内容」について報告させていただきます。学校経営部からお願いします。
八巻 研究と研修と奉仕の三つの面から申し上げます。
研究としましては、教育活動の基本は学年・学級にあるとの考えから「個を生かす学年・学級経営」という主題で、本年度より3年計画で研究に取り組んでいます。
研修としては、学校経営講座では主題に基づく研究を中心にして、中央講師による講義に加えて、県の重点施策を受け「生徒指導・情報教育の充実」に関して経営的な立場からの講義も設けております。教育研究法講座では、「校内研究ハンドブック」を活用しながら研究の手法を学んでいただき、指導力の向上に役立つよう運営しています。教育工学講座では、授業の最適化を目指しての目標分析による授業設計と教材・資料提示についてVTRの目作とコンピ