福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -032/038page

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 初任者研修では、2泊3日のうち第2日目を教科研修に充て、各教科とも経験者研修I・IIとの関連性と発展性を考慮したテーマを設定して実施しています。また、全員が共通に受講するものとして、道徳並びに特別活動の指導、情報処理教育とコンピュータの活用、児童生徒の理解と対応について、基礎的・基本的な考え方と指導の在り方に関する研修を組んでいます。

 経験者研修Iでは、,更に教科の比重が大きくなり、学習指導法を中心に教科の専門的な力量を高めるための内容と児童生徒の問題行動の予防に関することを研修します。

 経験者研修IIでは、教科経営を中心に学年・学級経営等についての内容が加わり、教育全般にわたるリーダーとしての力量の向上を図るものになっています。

 専門研修には多岐にわたる講座があり、それぞれ専門性の向上と深化を図るものとして専門研修II及びIIIを教育センター研修に位置づけ、各部ごとに実施しています。プロジェクト研究については、新学習指導要領の完全実施を前に、その主旨を生かした内容に取り組んでいます。研究主題の「基礎・基本の定着と個性の仲長」に関する研究は4年次に入りました。

 本研究は、学習指導の改善の視点から、個性重視の原則に立ち基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通して、更にそれを基盤としながら一人一人の個性を生かし、伸ばす指導の在り方を追究しようとするものです。

 第1年次は理論研究と実態調査、第2年次は小学校国語科、社会科と中学校数学科で実践し、第3年次は小学校図画工作科と中学校英語科で実践しました。

 本年度は小学校算数科とともに教科外として道徳での実践を行っています。教科外の実践を加えたことによって更に理論研究を押し進め、研究仮説・教科等の仮説と実践への具体的な方策を構築して検証します。本テーマによる研究は、次年度も教科等を替えて実践して行く予定ですので、これらの成果は、新学習指導要領の実施に際し、活用価値が大きくなるものと思います。

小学校算数科の検証授業の様子
小学校算数科の検証授業の様子

 本庁義務教育課では学力向上対策にも取り組んでいます。本年度は、共同で児童生徒の実態把握のために「教科内容診断テスト」の問題作成並びにコンピュータによるデータ処理等について検討を重ねています。

 年度内には小学校4年、6年、中学校2年のサンプリング調査による分析を完了する予定ですので、学習指導の改善のための資料として寄与できるものと思います。

 これらの他にも学習指導部に関わる業務は多々ありますが、表裏両面から当部の主な業務内容を紹介して現況報告とします。


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