福島県教育センター所報ふくしま No.97(H02/1990.11) -033/038page
「科学技術の進展に対応した研究」
科学技術教育部
科学技術教育部は、理科教育係、技術・家庭科教育係、情報処理教育係の3つの係から成る。近年の科学技術の進展に伴い、理科、技術・家庭科は、これまで培ってきた研究・研修の基盤の上に先端的な研究方法も加えて内容の充実を図っており、情報処理教育も施設・設備の拡充とともに、時代の先端を歩んでとどまるところがない。
1. 理科教育係理科教育係(5名)は、小・中・高校における基本研修(9種類15講座)の他に4つの専門研修に携わっている。
小学校地区別理科現地講座はかつての移動講座のように県内7地区に赴いて、学校周辺の動植物や川原や地層の観察、教材製作等を行っている。沢山の教具を車に積み込んでの現地講座は苦労が多いが、教育現場で和気あいあいの中になされる研修は好評を得ている。
野外での観察実習は中学校理科実験講座と高校理科実験講座(生物、地学班)でも行っている。理科教育に対する所員の意欲は旺盛であり、暑熱のもとでの下見や実習など条件は厳しいが、来年度は両講座とも更に規模を拡大して行う予定である。また、高校理科実習助手実技講座ではハードな研修の後に話し合いも持たれ硬軟合わせた講座の運営はユニークなものと自負している。
2. 技術・家庭科教育係技術・家庭科教育係は相変わらず2名というささやかな構成ではあるが、今年度(平2)の講座の受講者は延べ398名で10年前に比べて約4倍に増加している。これは情報化への対応として「情報基礎」担当教員研修講座(80名)及び「家庭科担当教員研修講座」(25名)が新設されたためである。
「情報基礎」担当教員研修講座は、成4年度までに技術担当者が全員受講することになるため情報処理教育係の協力により実施されたが、従来の実験・実習や製作等とは異なる「情報活用能カ」の養成に、受講者もパソコンを前に試行錯誤している状態である。新学習指導要領では中・高校で男女共通履修になることになるので、講座内容の一層の充実に努めている。
3. 情報処理教育係社会の情報化の急速な進展の中で、スタッフも年々増員され、現在9名の構成となっている。この間、平成元年3月には新学習指導要領の告示と並んで、県教育委員会の「学校におけるコンピュータ等の教育的利用基本計画」が示され、9月には、基本計画に基づく情報棟の増築工事が開始され