福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -006/038page
(事前―事後…形成‐‐‐有効度―太)
はすごい」等、形の変化の答えが約91%を占めている。以上のことから、この教材は、「形の変化」の視覚的な認識を高めるが、「面積が等しい」といった量概念を定着させることは困難であることがいえる。
また、図2の結果から、一斉授業では、学習の最適化を考えた教材の選択も必要であることがわかる。
図1をみると、計算式が書ける児童の形成テストの割合は約86%であるが、事後テストになると約61%と低くなっている。
また、図4の「計算式から公式に変形する」を説明できると答えているのは、約22%しかない。
このことから、長方形の辺の長さと円周との関係や「半径×円周÷2」の計算式が理解できているが、式の変形や公式に結び付いていない児童がまだ多いということがわかる。パソコン教材を利用しても、まだ、つまずきがみられる。
公式の作り方を説明できる
少し説明できる
説明できない22.2%
63.0%
14.8%図4 公式の作り方の調査
(5) 結論
1. 問題意識を高め、円の等積変形の認識を高める上では有効であった。
2. パソコンを一斉授業で活用するには、教材提示の後に他の教材教具や活動を組み合わせる必要がある。
4. 今後の課題
パソコン本来の機能からみれば、本研究のような教材提示機器としての活用でなく、個別学習での活用が図られる必要がある。
しかし、現在の学習環境の中で活用するためには、様々な課題が残されている。教材作成にかかる時間もその一つである。特に、教材開発の分析、授業設計は、一人の研究では、視点が狭くなり、時間がかかる。そこで、教材研究と児童理解に造詣の深い教師とパソコンの操作が得意な教師との共同研究も必要である。