福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -007/038page

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所員個人研究 ― (小学校算数)

「量と測定」の領域におけるつまづきの傾向とその指導

一第5学年・第6学年において一

学習指導部小林正

1. はじめに

 昭和57年度から昭和63年度まで、担当したクラスの算数の全単元の事後テストを記録してきた。この記録をもとに表1、表2を作成した。表1、表2の領域ごとの正答率を見ると「量と測定」の領域の正答率が低い。更に、第5学年は「円と正多角(面積)」と「単位量あたりの大きさ」、第6学年は「量の単位と測定」の正答率が低くなっている。今回は、この3単元について考察する。

2. つまずきの傾向とその指導

(1) 「円と多角形(面積)」について公式にそのまま当てはめて解く問題は、よく理解されている。しかし、いろいろな図形が組み合わされた面積を求める問題はよくない。問題を見てどうすれば、公式が当てはめられるのか。あるいは、どこに学習した図形があるのか。解決の見通しが不足している。

 授業を展開するときは、できるだけ操作活動を取り入れ、公式のまる暗記にならないようにしなければならない。また、図形が組み合わされた面積を求める授業の工夫として、児童自身が問題を作り、お互いに解き合うことによっても理解が深められる。昭和62年度の子どもたちが、多少なりとも正答率があがったのは、その効果があったためのものと思われる。

(2) 「単位量あたりの大きさ」について単位量あたりの考えについては、計算結果の判断が大切になる。単位量あたりは、

表1 第5学年 年度別・単元別正答率および折れ線グラフ
表1 第5学年 年度別・単元別正答率および折れ線グラフ



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