福島県教育センター所報ふくしま No.98(H03/1991.2) -019/038page
この花は「ハルジオン」です。
―理科現地講座に参加して―
二本松市立杉田小学校教諭 小 松 利 子
「先生、これはザッソウだよね。」「これもザッソウ。」これは学校周辺の草花を調べる3年生の理科の授業中の会話である。まるでザッソウという名の植物があるかのように「ザッソウ」を連発する子ども達に苦笑しながら川べりの草花に目をやる。うす紅(あか)い小さな花、黄色い丸っこい花、ふだん何気なく見過ごしている草花の存在が大きく感じられる。ああ、この花の名前が全部言えたらなあ。そんな悩みをかかえての理科講座参加であった。指導の先生と一緒に会場校周辺の植物の観察をする。水色の小さな花を見つける。「先生これは何ですか。」「キュウリグサです。もむとキュウリのにおいがします。」次々と出される質問にてきぱきと答えてくれる先生、先生に聞けば何でも解決できるという安心感。久しぶりに生徒にもどって心楽しい時を過ごした。指導の先生は携帯用の植物図鑑を手にしてちょっと不確かなものは調べてから教えてくれた。道ばたのこんな小さな花にも草にもちゃんと名前があるということへの感動。これからは「ザッソウ」とは言うまいと思った。なぜかやさしい心になれた。
「茎がからっぼになっていてつぼみが下を向いているのがハルジオン。茎の中がつまっているのがヒメジオン。」次の日、私は早速、うす紅(あか)い小さい花の説明をした。
学校カウンセラー講座「上級」を受講して
いわき市立赤井中学校養護教諭 平 子 和 子
私にとって、これまで受けさせていただいた数々の研修会の中で、この講座ほどエネルギーを使って取り組んだことは、ないように思います。と言いますのは、有無を言う余裕もなく、次々とロールプレイングが続いたからです。
最初は、てれくさくて、なかなか思うようにできませんでしたが、一緒に受講された先生方や、センターの先生方のパワーに押され、いつの間にかすっかり役になりきっていたことを思い出します。
ところが、今、現場に戻り、ふと気がつくと、あれほど苦痛に感じたロールプレイングが、実は一番役に立っているということを感じています。
「上級講座」では、特に、家族カウンセリングに重点をおいた研修でしたが、実際に父親や母親、あるいは祖父母の役になり演じてみると、自分でも気づいてなかったもうひとりの自分に気づき、驚いたり、感心したりさせられました。
カウンセラーは、「まず、自分に気づくことが大切である。」この教えから始まったのですが、この言葉の意味を身にしみて感じております。最後に、私たち受講生一同を暖かく受容してくださり、ご指導くださいましたセンターの先生方に、深く感謝申し上げます。