福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -007/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

所員個人研究―(小学校理科)


自己教育力を高める理科教材の開発とその指導法

―小6:電流の発熱作用―


科学技術教育部  大 室 幹 男


1.はじめに
自己教育力の育成が強く要請されている。このことを踏まえ、新学習指導要領に付加された小学校6学年理科「電流による発熱作用」に対する新しい指導法を下記のように計画し、研究授業を通して研究実施した。

2.ねらい
(1) 電熱線に電流を流すと発熱し、電流の強さによって発熱の仕方が違うことを調べることができる。(小学校指導要領)
(2) 学習意欲と自己教育力を高める。

3.対象児童の実態(小6:男女計75名)
資料1 電流の学習に関する意識
項目 人数 百分率
好き 42人 56%
どちらでもない 25人 33%
嫌い 8人 11%

資料2 電気に関する既習内容の意識
項目 人数 百分率
分かった方 32人 41%
どちらともいえない 39人 52%
よく分からなかった方 5人 7%

資料3 電流回路の基礎の理解
 次の図は直列つなぎか並列つなぎか。(4年で既習) 正解率 47%
資料3 電流回路の基礎の理解

4.指導上の問題点
(1) 電流に対する児童の意識は比較的よいが、その既習事項の知識理解や定着は不十分である。
(2) 児童は家庭電化製品に日常触れており、例えば、トースターは電気で熱されることは知っているので、電熱線  で発熱作用の実験を行っても興味関心は少ない。
(3) また、家庭電化製品は自動的に働く物が多く、かつ、機会が内部にあって見えないことから、途中の電流の働き  など考えない児童も見られる。
(4) 電流は目に見えないので、電球がついたりトースターが発熱しても児童には電流を実感としてとらえることができない。
(5) 児童生徒の価値観が多様化していることと、最近の子どもは思考する機会が少ないため、科学的な見方・考え方や創造性  が十分身についていない。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。