福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -009/038page

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7.研究授業実践結果
(1) 学習内容の理解度の関する事後テスト問題の正解率は91%となっており、十分理解されたと思われる。
(2) 児童が不思議に思ったこと、もっと調べてみたいと言うことの主な内容は次のようであり、学習内容を十分消化し、発展的な課題をつかんでいる。
● 試験管を手で持つと中の水が温まるので、試験管の上のゴムの所をもって測定した。
● 豆電球の実験では、小さな電球で水が温たまるなんてとってもビックリした。それを長時間続けていれば沸騰するかなぁと思いました。それが沸騰しなくとも最高の温度を調べてみたかった。
● 電熱線と電源線をつなぐ長さを変え、熱の出る量を調節する工夫をした。
● なぜ、豆電球や電熱線に電流を流すと熱が発生して温かくなるのか、くわしいことを調べてみたい。
(3) 子どもたちは「学習内容」を十分消化吸収し、心の快適さや学習に対する正しい考え方と態度を身につけつつある。
● こんな小さい豆電球でも、こんなおもしろい実験ができるなんて初めて知った。この実験は、豆電球で水が温められていることの外、豆電球が点滅して、電流が点灯して、電流をながしていることが分かって楽しかった。
● とくに危険なことはやらなかったのでとても良い勉強になったので良かった。まさかあんなに発泡スチロール板が切れるなんて思わなかった。
● この実験ではおもしろかったので、ふざけないで、最後までやれたのでよかった。
● これからしてみたい実験は、またこんなふうに何か作れるのがいいなぁと思った。
(4) 発達段階に即した自己教育力を内発的に高められた。
● 電熱線につなぐ電源線を間違えて発泡スチロールが切れなかったときがあった。良く考えてみたら+極と+極をつないでいて、気がついてからやり直したらちゃんと切れたのでよかったと思いました。
● この実験は今までの実験と違っておもしろかった。自分で温度を測って、自分の頭の中で答えを書けたからです。いままでのはグループのみんなのものを写しただけだから、今回は勉強になりました。
● 今度からの実験も、人にばかりまかせず、自分だけでもやると言う気持ちで実験をやっていきたい。

8. おわりに
 当研究の身近な素材を使って教材を製作し、授業に生かした指導の在り方は研究対象校においては大変有効であった。
 この成果を生かし、今後の教育センターでの研修指導に取り入れ、広く伝達するとともに、ご批判とご指導をいただき、より良いものに改善していきたい。

参考文献
「わかり方の根源」 佐伯 胖著  小学館


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