福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -012/038page

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 【 図2 A児の学習後のイメージマップ】,<表1 学級全体の総語数平均>

(ァ) 学習後、総語数は各サークルごとに大きく増加している。しかも、第一サークルでは認知的内容の語が増加しており、第二サークルにおいては、よりその傾向が表れている。この結果は児童のイメージが学習内容を中心として広がっていくことを示していると推察できる。
(ィ) 学習前イメージがあまり豊かでなかった児童は、第二サークルでの増加が著しい。これは認知的内容の増加にともない、学習内容を中心としてイメージが広がっていったためと考えられる。一方、学習前からイメージが豊かな児童は、第三サークルでの増加が著しい。これは学習内容と関連づけて他のものをみるようになったためといえよう。
イ. 児童の授業後の感想からの考察<S子の感想>
 この感想のようなさらに調べてみたいという学習に対する意欲の高まりと天体に対する関心の高まりが見られた。
ゥ. 自作ソフトウェアについての考察
【図3 児童の観察記録】(北斗七星の動き)
 左図のような児童の観察記録から、各人が正確な観察をしていることが分かった。このことから自作ソフトウェアは、CAI教材としてたいへん有効であったと推察できる。
(3) 結 論 理科学習でのモジュール方式による学習システムは、自分自身の観察データをもとに考えをまとめ、話し合い活動の中で他の考えと比較でき、疑問点はコンピュータで確かめられるということで、児童一人一人の認知度はもとより、情意的側面もより望ましい方向に変容させることができることが検証できた。このことは、本研究が設定した仮説の妥当性を示唆するものと考えられる。


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