福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -013/038page

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所員個人研究


不登校を予防するための指導援助の試み


教育相談部   後 藤 ヨ ネ

1.はじめに
これまでは,不登校は特定の理由から一部の児童生徒におこり易いといわれてきたが,今では“どの子どもにもおこりうる"と言われるようになった。このことは,親や教師にとって大きな問題である。
また,不登校に陥った年齢が高くなる程改善に時間と労力が必要ということからも子どものわずかな言動の変化にも気を配り,早期の継続的な指導援助が大切と思われる。
児童生徒が,不登校という状況を呈している背景にはいろいろな要因が考えられるが,一般的には次のように言われている。
○豊かな生活が子どもの耐性や自主性を欠如させている。
○遊びや生活の変化により環境への適応力が育ちにくく,対人関係がうまくいかない。
これらのことから考えると.親や教師はこのような児童生徒二気持ちを理解し.共に歩むという考えで接することが大切と思われる。学校においては、特に担任が、家庭との連絡を密にしながら指導援助を行えば,失敗や挫折感を味わいながらも集団ので困難をのり越えて生活できると考える。

2.不登校傾向の発見法
 不登校を予防するためには,不登校に陥る要因をもつ児童生徒を早期に発見することが重要であり、親や教師は常に子どもの言動をしっかり見なければならない。
 鋭い観察や多岐にわたる情報収集をもとに洞察力をはたらかせることによって、不登校を予防することも可能であろう。
 しかし、誤った情報や先入観だけで児童生徒を判断することのないように、科学的・客観的な方法を用いることも大切である。
 ここでは、予知段階チェックリスト、ソシオメトリックテスト、Y−G性格検査を用いた。

表1 予知段階チェックリスト

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