福島県教育センター所報ふくしま No.99(H03/1991.6) -025/038page

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●リーダーが良くやっているということで満足し、リーダーの悩みなどの良き理解者ではなかった。むしろ、リーダーをはじめ、学級の一人一人に対して、厳しさで抑え付けていたのではないか。もっと自由に自己表現ができるようにすることが必要ではないか。

そして資料の収集を


 以上の反省をもとに、最終的には「将来への向上心を高める」ことを目標にして、学級の一人一人の所属感を高めまとまりのある集団にするための方策を探るために、次のような資料収集を計画しました。
(1)より明るい学級にするための指導援助の在り方を探るために、学級の人間関係を客観的に理解する。(集団理解)
(2)一人一人の内面を知るために、アンケートと個別面談を実施する。(個別理解)

 さっそく、夏休み前に、アンケート(意識調査)と、担任にとって初めてのソシオメトリックテストを実施し、結果を分析したところ、
(1)学級内の人間関係は、想像していたのとは異なり、グループが細分化(2〜4人)していて、バラバラともいえる状態であること。
(2)担任として把握していたリーダー的存在の生徒が、あまり人気がない傾向にあること。
(3)学級の雰囲気は暗く、今後はもっと明るく、何でも言える雰囲気にしたいと願う生徒が多いこと。
 などが明らかになりました。
 一見、問題のない学級ではあっても、生徒一人一人をより向上させるには、その基礎作りのための指導援助が数多く存在することに気づきました。

収集した資料を基に、「所属感を高め、まとまりのある集団」を目指して、指導援助の方向性をまとめ、実践に移りました。
指導援助の方向性

 11月下旬に行われる「文化祭」は、学級対抗的な要素や学級のアピールという要素などが集合している行事であり、学級のまとまりや、一人一人の所属感を高めるための目標に適しており、文化祭を目標にして学級を燃えさせることも可能ではないか。

そして指導援助を


 担任としての姿勢が、一つの型に固守していたのではないかと考え、2学期になって最初に取り組んだことは、生徒に接するときの姿勢を変えることでした。予想より難しいことでしたが、たとえば、断定的で有無を言わせない言動はさけ、生徒の声を熱心に聴くようにしました。同時に、担任自身が文化祭という行事にもえていることがわかるような姿勢で学級に接するように努力しました。
 次に、朝や帰りの学級の時間をこまめに活用して、文化祭へ向けての意欲付けを行


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