福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -022/038page

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 この調査用紙からは,ソシオメトリック・テスト」としての処理と,資料3のような「学級社会的距離尺度図」作成としての活用が可能である。

【資料3】学級社会的距離尺度図
【資料3】学級社会的距離尺度図


 この方法によって,
1.学級集団に対する受容・排斥傾向
2.学級集団からの受容・排斥傾向
3.上記1.2.の個人的データ
などの資料を得ることができる。これらの資料は,決して「班編成」や「席替え」だけに活用するものではなく,生徒一人ひとりの指導援助に生かされるべきものである。
教師が指導援助で目指す生徒像は,
学級から認められる傾向が高く、自分からも学級を受容する生徒
である。「学級社会的距離尺度図」には,生徒一人ひとりが「集団との関係」を白覚し,より向上しようとする意欲付けに活用できるというメリットがある。
(2)工夫2「教育相談に活用するためのエゴグラムの改善」
「学級からの認知」および「学級に対しての意識」については「工夫1」の方法で知り得る。これに「自分の性格等」を補足して教育相談に活用するために,下記のように「エゴグラム」を改めた。
1.質問紙は,中学生用に自作したものを使用した。
2.集計にはパソコンを使用し,生徒一人ひとりについて,各自我状態の得点を計算し,グラフ化できるよう工夫した。
3.生徒用の資料として「自分を見つめよう=エゴグラムの読み方」を作成し,教育相談で活用できるようにした。
資料4は,学級担任が,学級・男女別の全休的な傾向を知るための例である。

【資料4】
【資料4】


(3)工夫3「ゲスフー・テストの改善」
「集団と自分」および「性格」については,「工夫1と2」をもとにして教育相談が実施できるが,「自分を知ること」を「自分を育てようとする意欲」に結びつける指導援助のための資料をどうするかという問題が残った。そこで,「自分に自信を持つこと」と「他者を認める姿勢を持つこと」に焦点をあてて,一般に行われるゲスフー・テストの選択肢を,すべて「良い面・長所」に置き換え,全員の「長所」を見つめ,記入できるような調査用紙を資料5のように工夫改善した。


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