福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -025/038page

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(2)体育の授業において,一人ひとりが自己の到達目標を主休的にもって取り組む指導
 過程の工夫
個人差に応じた指導過程の構成を次のようにした。
<めあての確認> 色別のはちまきをさせ,誰にでもめあてが一目瞭然に分かるようにした。教師にも友達にも,めあてが分かり,個別指導や教え合いの時に役だった。また,白分の動きは,自分では見ることができないので,バディをつくらせて,めあての確認をさせた。よい動きをイメージとして持ちつづけるために,VTRを用いて視覚に訴え,技能のポイントを明確にした。
<補助運動> 主運動につながり,誰にでもできて,基礎的・基本的技能が身につき,学習意欲が高まる運動にする。器械運動では,「腕支持感覚」「逆さ感覚」がないと技の習得は困難である。したがって,うさぎ跳びや壁倒立などで,これらの感覚を養うことにした。単調なサーキットにならないように,音楽に合わせて行わせた。
事前調査では,壁倒立ができた者は10名だけであったが,指導後には35名ができるようになった。<資料2>

<資料2 場の設定>
<資料2 場の設定>

<主運動の目標の達成の手だて> 個人の課題解決に向かって、同じ目標をもつ者同士が互いに励ましあって学習する場を設定し、教材のおもしろさをわからせ、めあて達成への意欲を高めた。また、「おもしろい」「やってみたい」という欲求が起こる効果的な器具や補助具を開発し活用できるようにした。
<評価とまとめ> 自己評価と相互評価を併用する。テップカードと学習カード「がんばりマット」に今日の成果を記入し・次時の課題を設定する。教え合う場を設けることにより,たがいに磨きあい,よりよい動きが形成されていった。<資料3>

<資料3 学習カード>
<資料3 学習カード>


4 おわりに
 今回の学習指導要領の改訂では,今までの体育科の方向を踏しゅうし,更に21世紀を見越した生涯体育指向を強くうちだしている。一人ひとりの子どもたちに主体的な学習意欲を定着させ,真に学ぶ楽しさ,できた喜びを味わうことのできる指導法について,今後も実践研究していきたい。


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