福島県教育センター所報ふくしま No.101(H03/1991.11) -027/038page

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うに心掛けていますか。


図2
図2

 図2からは、「いつもしている」「努めてしてる」が小学校91%・中学校87%・高等学校82%であることが分かる。これを図1の結果と比較すると,教師が「よくしている」と答えているにもかかわらず,児童生徒があまりそのように受け止めていないことが分かる。
 これは児童生徒へのかかわりが,教師からの一方的なものに終始しているためではないだろうか。また,その賞賛が,児童生徒の自尊感情をゆさぶるものになっていないためではないかとも考えられる。
 これらの実態をふまえ,児童生徒に学級の友人の「長所」に気づかせたり,面接相談を通して,白分の「長所」に気づかせながら,児童生徒の「自尊感情」をどのように高めたかを,事例を通して述べてみたいと思います。

自尊感情を高めるための指導援助の事例

1 生徒の実態
 9月,生徒(高校1年)は学校生活にも慣れ,落ち着きも見られるようになった。
しかし,授業態度やHR活動には,自信を持って活動している生徒が一部には見られるものの,全体的に高校生らしい若さと意欲が感じられない。学級担任は,指導援助に工夫を加えながら,この学級を明るく意欲的なものにしたいと考え,学級を見つめ直した。
 一人ひとりをよく観察してみると,学校生活全般にわたって自信のない消極的な発言や行動が目立ち,目標を持って積極的に活動しようとする姿はあまり見られない。
そこで,はじめに生徒一人ひとりの「長所」について考えてみた。
2 「長所の発見」(SHR時)
 生徒に自分の「長所」に気づかせ,自信を持たせることをねらいとして,SHRの時間に「自分の長所の発見」というテーマで,自分を見つめさせた。さらに,この結果をLHRの指導資料として活用することにした。
 まず,学級担任が自らの生い立ちや,長所,短所を生徒たちに語りかけ,自己開示したあと,生徒に自分の長所,短所を箇条書きにまとめさせた。
その結果,多数の生徒が自分自身の姿を把握できず,長所よりも短所を指摘する


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