福島県教育センター所報ふくしま No.102(H04/1992.3) -010/038page
所員個人研究―(小学校 理科)―
新学習指導要領『人のからだ』に関する教材開発
一アフリカツメガエル幼生とブタの肺を使った内臓の観察一科学技術教育部 松 本 学
1. はじめに
アフリカツメガエルは,アフリカ中南部原産のカエルで,熟帯魚ショップで手軽に手に入る。一生を水中で生活し,金魚の餌などで育つので,たいへん飼いやすいカエルである。また,オタマジャクシの体が透き通っていて,心臓や血流の様子を肉眼や顕微鏡の透過光で,生きたままで観察できることも教材として有効である。
平成4年度から完全実施される新学習指導要領では,児童が具体的な自然に直接かかわる場を用意し,観察や実験を意図的・継続的に積み重ねることにより,問題を解決する能力や自然を愛する心情を育て,科学的な見方や考え方を養うことが重要な目標になっている。3〜6学年までのA区分には「人の体」に関する内容が系統的に配列されているが,直接,観察や実験をすることが難しい内容も含まれている。そこで6学年の「人の体のつくりと働き一に焦点をあて,直接経験を重視した指導のための教材開発を目指し,この研究に取り組んだ。
2. 教材とその有効性について
(1)アフリカツメガエル
さらに,生殖腺刺激ホルモン剤を注射することにより,2ケ月ごとに卵を生ませることができ,1年中,幼生を確保できる。
(2)ブタの肺
ブタの肺は,食肉センターで分けてもらえる。形や大きさがほぼ人問の肺と同じで,呼吸時の大きく膨らむ様子をガラス管を使って気管に空気をふき込む簡単な実験で再現できる。最初しぼんでいた肺が風船のように膨らんだり,縮んだりする様子に児童は驚きの声をあげる。