福島県教育センター所報ふくしま No.103(H04/1992.6) -032/038page
がみられる。[前と同じくらいできた」まで含めるとかなりの高まりといえる。
しかし,長い間継続することはマンネリ化し,効果が薄れると考えられる。
3. 共通理解を図るための援助指導
ア 学年・学級の指導体制の確立
イ 月1回の生徒指導協議会の充実
4. 「オアシス運動」展開への援助指導(省略)
5. 家庭・地域との連携(省略)
(3) 研究の考察
1. 教育目標に関する意識の変容
焦点化された教育目標具現化の取り組みが他の教育目標に対する児童,教師,保護者の意識の高まりに結びついたと考えられる。
ア.調査対象3、4、5、6年生児童100名抽出
3.学級のめあてを言うことができますか
7月 11月 言うことができる 13% 26% だいたい言うことができる 56% 54% 言うことができない 31% 20%
イ.調査対象教師22名
5.教育目標具現化への取り組みの成果が実感できますか
7月 11月 実感できる 0% 0% だいたい実感できる 89% 92% 実感できない 11% 8%
2. 児童の変容
自己評価による達成状況,朝の元気なあいさつの声の響き合いなどから「あいさつ」については以前より確かによくできるようになった。
3. 援助指導に関する考察
ア 目指す児童像の具現化については,思い切って焦点化し,児童,教師ともに意識できるものにするのが効果的である。
イ 指導の場,方法,機会を明らかにし,教師のかかわりを児童一人一人の変容を認め励ますことを中心として,一定期間指導したことは効果的であった。
ウ 自己評価カードについては,発達段階を考慮し,個に応じた指導をすることにより,めあてを意識させるうえで効果的であった。
工 教育目標具現のためには,他領域との連携,教頭の各場面での役割の重要性について再確認できた。
6.今後の課題
教育目標(思いやりのある子ども)の具現化にっいては,現在も実践研究中であり,研究の成果として結論しがたいが,今回の実践を通して言えることは,児童,教師の教育目標に対する意識が変化してきたことである。
(1) 学校教育目標の見直しと,学年の具体目標とその到達については,目標の内容項目を焦点化し,常に,教師,児童が意識できるものにする必要がある。
(2) 焦点化された教育目標について,意図的,計画的に指導ができるよう各領域ごとに,その位置づけを明確にする必要がある。
(3) 教育目標具現化を目指し,学年・学級経営の一層の充実を図る必要がある。
(4) 思いやりのある子どもの具現化のため,その基本である「あいさつ運動」については,創意工夫を加え,全校的な実践を継続したい。さらに,家庭・地域へと広げていきたい。