福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -004/038page
る」と感じさせるようなソフトを、うまく使うところに自作の世界を考えていただきたい。
1)筆者の考える市販ソフトの特徴
1)体系的な開発が必要なソフトウェア
2)利用者への情報提供が質・量ともに求められるソフトウェア
3)機能の改善とバージョンアップ版の作成が必要なソフトウェア
4)周辺情報の周知、研修等のサービスが求められるソフトウェア2)自作らしさ
1)教師の考え方と児童生徒の実態に即したソフトウェア
2)ねらいを絞ったソフトウェア
3)小規模なソフトウェア
4)変更可能なソフトウェア
5)利用場面を重視したソフトウェア
6)短時間でも作成できるソフトウェア
7)だれでも作れそうなソフトウェア3.望ましい自作環境とは
前述の日常的な利用を目的した自作環境のための条件は何であろうか?これはソフトの自作に限った時間の中で何かを作成しようとするときは、どのように作ればできるのか、どのくらい時間がかかりそうか、そのために何が必要になるか、・・・について見通しを立ててとりかかる。ソフト開発でその見通しを与えられる環境がどのように構築できるかということになる。ワープロやグラフィックツールなどの利用なら何とかできるという教師が増えている状況を考えると、せめてそのような人たちが自作できる環境を作ることが大切である。どんなに便利な環境を設計しても、新たな機能の習熟に相当の時間を要すならば、それは自作できないにも等しい。さらに、機能に熟知している人でも、すべて1から作成しなければならないのであれば、見通しは立っても大変な時間を要するであろう。ちょうど料理で言えば、なべ・かま・包丁が便利になっても、大根や人じんなど材料がなければ料理が作れないのと同じである。
これらのことを考えると、自作環境としては、(1)各自が使い慣れたソフトウェアを利用できること、(2)素材としての情報が豊富に用意されている、ことが需要である。
幸い、学研「FD教材データ」のように、近年、著作権を持っている企業が、使い慣れた手段で加工できるデータを市販する動きがでてきていることは心強い。
ソフト購入が地方交付税の副教材費として交付されるようになって2年であり、まだまだ機能としてのソフトが不足している現状ではあるが、近い将来、機能を増やすプログラムを購入することが多くなると考えられる。その時に、購入した文章、問題、込み入った図、きれいな絵やイメージなどの素材情報を使って、教師が著作権問題に煩わされることなくプリントや提示ソフトやコースウェアを自作できるようになれば、日常的な利用が現実できるのではないだろうか。