福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -007/038page
半数以上は,自然との触れ合いをあまり好まないことが分かった。
2.具体的な理解のために
さらに,「秋とあそぼう」の学習に入る前に,単元の目標を設定したり,予想される児童の活動をとらえたりするために,具体的に調査した結果が,次の表である。
このことから,児童は木の葉や木の実で遊んだり,秋の虫を見っけたりすることに興味や関心があると思われる。しかし,実際の体験は多いとはいえない。
そこで,「秋とあそぼう」の学習では,「野外の自然を観察したり,秋の生き物を飼ったり,育てたりする活動を通して,自然との触れ合いを深めることができるようにする。」「友達と協力しながら,木の葉や木の実などの身近な自然の素材を使って,遊びに使うものを作ることができるようにする。」という目標を設定した。
また,これらの結果を一人一人の児童の活動を援助したり,さらに深めたり,広げたりするための資料として,「援助カルテ」(図2)を作成し,○印のついていない児童に対して意図的な援助を心がけた。
図2 援助のためのカルテ
※○印は,興味・関心があることや生活習慣及び生活技能が身に付いていることを表す。
3.研究のまとめ
本研究の成果と明らかになった課題について述べて,まとめとする。
(1)研究の成果
生活科の目標及び内容についての理解を深めることができた。また,生活科と幼稚園教育とのかかわりについては,遊びの取り扱いを通して再認識することができた。(2)今後の課題
生活科においては,教師が地域の環境を理解したり,児童の興味・関心,生活経験などを把握したりすることの重要さを強く感じた。
そこで,体験を重視し,活動が連続したり,発展したりする学習を展開するためには,生活科の目標や内容を理解するとともに,単元ごとの生活科マップ作りや児童の実態把握を工夫することが必要である。
研究協力者 : 保原町立上保原小学校 五十嵐久美子教諭