福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -008/038page

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所員個人研究   (中学校 英語科)

英語科における基礎・基本の定着を図る指導の工夫

〜個のつまずきに応じたコース別学習を通して〜

学習指導部  寺 木  誠 伸


1.はじめに

 英語は中学校に入学して初めて学習する教科ではあるが,積み上げ型の教科であるため,学年が進むにしたがって学力差が大きくなる傾向が強い。そのような教科の特徴から,3学年になると受験期を控え学習に不安を持つ生徒も多くなる。そのため長期休業や放課後を利用し,補充授業として既習事項の復習をさせている学校も多い。そこで,3学年の生徒に,1,2年の学習事項の復習等を個に応じていかに効率よく行うか,その手だての研究に取り組んだ。また,基礎・基本の定着を図る指導を重点的に行うことによって英語科学習への興味を失ってしまわないための手だてとして,一人一人の興味に応じた4領域別コース学習も試みた。

2.研究計画

 生徒一人一人の既習事項の定着状況に応じたコース別学習を,授業の導入段階あるいはまとめの段階に設定し,基礎・基本の定着を図る手だてとしての有効性を探る。
 また,発展的な段階として生徒の興味に応じて4領域別コース学習を行い,英語科学習への意欲の向上を図る手だてとしての有効性を探る。

3.実践

1.実態調査

生徒の実態を知るために次の3つの調査を行った。
 (1)英語科学習に対する意識などの調査
 (2)到達度評価テストの実施
 (3)文法項目別の個人意識調査

2.コース別学習

 到達度評価テストで把握した一人一人の基礎・基本の定着状況から,補充すべき項目を洗い出し,毎時間10分間でコース別学習を行った。教室の後ろにタイトルカードと共に既習事項の項目別のコースプリントを準備し,生徒は自分のコースに応じてコースプリントを取って個別学習を進めた。
 英語科の単元指導計画の時数に合わせて,その単元でのコース別学習のコース数を設定した。例えば6時間で1単元の場合は,コース別学習4回(10分X4回)十コース復習1回(10分)十4領域別コース学習(20分)1回の計画とした。コース設定の手順は次の通りである。
1. 一人一人の到達状況の把握
 到達度別評価テストの結果から,まずクラス全体の定着の様子を把握した。そしてクラスで全体的に落ち込んでいる項目の中で,一斉指導が必要なものとコース別学習


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