福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -013/038page

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「不適応状態・行動」の生じる過程

表1 不適応状態・行動の生じる過程

研究の実践

1.研究対象学級の実態把握

(1) 適応性診断検査(DiagnosticAdjust-mentTest)の実施
中学1年生男子18名女子16名計34名

表2 適応性診断検査の実施

(2) 結果の考察
 本検査は潜在的問題の早期発見を目的とするが,「やや危険性大」は女子が男子の2倍以上で,女子の型はすべて「性格」にかかわる問題傾向が見られる。本学級では男子より女子が潜在的問題を多くもっていることが分かる。「危険性大」の男子2名と同様,今後は顕在的問題に発展しないように,予防的指導が重視される。

(3) 学級の実態
 <表 3>

表3 学級の実態
1.検査の結果,男女共に居心地の良い雰囲気だと感じている。
2.建設的な意見を持っていても,それを支える人間関係がまだ育っていない。
3.役割の自覚が希薄で,係活動は活発とはいえない面がある。
4.決まりよりも利害によって行動し,人間関係が表面的,形式的な生徒が何人か見られる。

2.指導援助の実際

〜 S 男 の 事 例 〜

(1) S男の実態と問題点
 検査から次のような点が指摘される。

 1.「適応性診断検査」の結果
 MPNタイプである。(表2の7参照)
 MPNタイプの特徴は,適応傾向・性格傾向・規範性逸脱傾向の三領域全部に問題を持ち,かなり危険度の高いタイプであり,


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