福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -018/038page
研修者の感想
「中・高生徒指導講座」を受講して
郡山市立郡山第七中学校教諭 渡邊千穂
正直申し上げますと,私は何を勘違いしたのか,「カウンセリング講座・初級」イコール本講座と信じ,受講を希望したのですが,結果的に本講座を受講する ハメ になったこと,実に幸運でした。
前・後期,それぞれ二泊三日の日程で行われたのですが,第一にテキストと資料の内容が豊富で,その上が新しい。また,研究協議を重ねることで,自分の考えが深まる上に,他の先生方から様々なアイデアを吸収することができました。
しかし,おそらく私にとって一番幸せだったのは,「生徒指導」が単に問題行動への対処療法を指しているのではないことを再認識できたことでしょう。「何をいまさら,当たり前のことを…。」とおしかりを受けそうですが,教職経験も浅く不勉強な私にとっては実に大きな発見だったのです。
悲しいかな,「生徒指導」という用語そのものが,何かしら暗いイメージをもっていますが,本質は違うめですね。すべての生徒をよりよく伸ばす目的で生徒指導は行われるという意味がやっとわかり始めたのです。そのためには生徒理解がすべてだということも…。「どの生徒も自己実現の道を模索している。きっと『開発的指導援助』を待っている。私がそうだったじゃないか・・・」と,本講座が気付かせてくれました。
「研修と感謝の心で」 学校経営(A)講座を受講して
下郷町立旭田小学校長 星 恒 行
昨年の4月半ば,前任校で校長先生から,「学校経営訣u座に推薦しておいたから。」と言われたときは,正直言って,いまさらという思いがあった。
ところが,前期講座に出席したとたん,そんな気持ちを持ったことがとても恥ずかしくなった。講師の方々の講義を聞くたびに,学校教育の今日的な役割や学校経営の複雑さ深遠さなどについての十分な理解なしに,目先きのことだけの対応で満足してきたことが。また,主題研究の計画作成では,自校の現状や課題のとらえ方の甘さが指摘され,用意していった計画を大幅に修正せざるをえなかった。宿舎での先生方との情報交換では,考えもしなかった配慮や実践の様子を聞き,息を抜く気分どころではなかった。
思いを新たにして中・後期に臨んだのだが,積み上げのない悲しさで主題研究は右往左往するばかり。学校まで助言の手紙を.くださった担当の先生方の懇切なるご指導でなんとかまとめができた。ほっとすると同時に,薄れかけていた研修意欲と感謝の気持ちの大事さを思い知らされた。
学校週5日制の導入など学校教育の大変革が迫られている。感謝の心を忘れずに,子どもたちや先生方が夢とやりがいが持てる学校経営に努めていきたい。