福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -019/038page
初任者研修 国語講座に参加して
西郷村立川谷中学校教諭 渡邊 真魚
講師生活の長かった私にとって,初任者研修は,それまでの指導観に大きな刺激と活力を与えてくれました。特に教科指導においては,初めて一年から三年まで担当し,生徒の発達段階に応じた指導を考え,日々悩み,頭を抱え,試行錯誤を繰り返していました。
そんな時,初任者研修国語講座に参加して,教材研究の新しい方法論を知る機会を得たのです。それは,大変有意義なひとときでした。研修内容は,文学的文章の教材研究と指導案の作成で,私は担当の佐藤吉則先生が講義された文章構造図を,夢中になって聞き入っていました。
この瞬間,私は学生時代に戻り,一生徒として学ぶ立場に置かれていました。ともすれば,教師としての立場でしかものを見ることができなくなってしまった自分に,気づいたのです。その後のグループ討議では,生徒の立場になって,共を見通した教師としての素直な自分があったように思います。
"心豊かなたくましい人間"の育成には,教師自身が広い視野に立ち,見聞を深めて行かなければなりません。多くのすばらしい先生方に御指導をいただき,また見守られながら二年目を迎えた私は,初任者という文字がとれた研修を続けたいと思います。
「家庭科実技講座」を受講して
福島県立清陵情報高等学校教諭 東城 朱實
これから社会にはばたこうとする生徒に加速化する社会の変化に主体的に対応できる「たくましさ」を身につけさせよう。そのためには,教材の工夫や生徒への取り組ませかたはどうあるべきなのか。日ごろのこういう疑問をかかえたP1an-Do-Seeの授業展開に,なにか解決の糸口が見い出せそうな有意義な研修であった。
クレジットやサラ金の利用が急増し,若者の「自己破算」が大きな社会問題になっているが,今回の講義のサラ金の利息や支払い方法は,具体的な題材として消費者教育の導入部分に活用できそうである。
また,男性の立場からの実践を通した保育理論の生の語りかけには,視野の広さに驚かされ,我が子育ても反省させられることばかりであった。被服製作は,物の豊富な時代に育った生徒に手作りの良さを体験させるための授業や評価の在り方なども話題になり,パソコンを利用した他の講座とともに,新しい授業展開のヒントを得たような意欲のわくものであった。実り多いこの三日間の研修を,授業に生かし,これからの人間としての在り方,生き方を生徒とともに考えていきたいと思います。
最後に,温かくていねいに御指導下さった先生方に深く感謝申し上げます。