福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -020/038page
<教育図書・資料紹介>
生徒指導・教育相談関係図書の紹介 教育相談部
「だれもが身につけたい生徒指導・学校教育相談の技法
ぎょうせい 全国教育研究所連盟編
最近,教育相談についての関心が高まっていますが,問題傾向のある子どもの指導に必要な教育相談の技法を身につけることは,指導援助に携わる教師にとっては必要なことであると思われます。
本書は本年5月に発刊された本で,生徒指導と学校教育相談の全般にわたり,教師の実践に役立つようまとめられています。「学校現場に即した教育相談」といえる内容で多くの先生方に読んでほしい本です。本書は4つの章から成り立っていますので,各章ごとに主な内容を紹介します。
第1章 生徒指導・学校教育相談の新しい視点
はじめに「カウンセラーとしての心得はすべての教師に必要」と指摘しています。その上で『生徒指導・学校教育相談の機能』を4つに分けて説明しています。 『予防的教育相談』 や 『治療的教育相談』 だけでなく「気持ちは受容しても行為は認めない」という毅然たる姿勢を 『訓育的教育相談』 と規定している点が一つの特徴となっています。さらに学校カウンセリングの視点として重要視されている 『開発的教育相談』 についても,詳しく述べられています。
第2章 子どもに生きる教師の技法 -指導のポイント-
不登校や無気力などさまざまな問題行動を持つ子どもの理解と対処の仕方が簡潔にまとめられています。特に,最近文部省でも認めるようになった LD(学習障害)児 については,理解しやすいようまとめられており,指導援助の方向性も示されています。
第3章 生徒指導・学校教育相談に役立つ技法
教育相談の技法というと,個人面接の技法に重点が置かれていることが多かったわけですが,ここでは, グループ・カウンセリングの技法 や構成的 グループ・エンカウンター といった集団に対する指導援助の実際についても述べられています。
第4章 学級担任を支える学校の組織づくり
問題行動を持つ生徒に対しては組織的な取り組みが必要です。ここでは 学級担任の働きに,学校内の組織がどう動いたのか という事例と,専F聯鰯の職員がどうかかわったのかという事例が述べられており,参考になる内容だと思われます。