福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -021/038page
所員個人研究 (高校 機械)
音 声 プ ロ セ ッ サ の 制 作
−A/Dコンバータの使い方−科学技術教育部 栗 村 知
1.はじめに
コンピュータ制御は,制御対象の物理量をメインメモリに書き込み,これを必要に応じて加工し利用する技術である。その概要は,図Iの制御の基本に示すとおりである。まず人間で言うところの五感の働きをするセンサが,制御対象物理量をアナログ量(電圧)に変換する。次にA/Dコンバータが,アナログ量をデジタル量に変換し,インターフェイスを通してメインメモリに書き込む。メインメモリに記憶されたデータは,コンピュータによって加工され,必要に応じてD/Aコンバータから出力される。コンピュータ制御は,この一連の概念を基本として行われている。
今回,コンピュータ制御の教材として「昔声プロセッサ」を制作した。これは,制御対象物理量を音声,センサをマイクロホン,出力装置をスピーカーとし,次の点を考慮して作成したものである。
(参考写真)
(1) キーボード入力の文字列に対応して音声を出力する。
(2) 主なプログラムはBASIC言語で行い,一部を機械語とリンクする。
A/D・D/Aコンバータを機械語で制御する。
(3) 五十音の音声データを,あらかじめバイナリ形式のランダムファイルとして用意しておく。2.音声プロセッサ
音声プロセッサは,キーボードからの入力文字にあわせて音声を出力する装置であり,図IIに示す構成となっている。以下,いくつかの作成概念を示す。