福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -023/038page

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(参照図V)。以上の初期設定は,BASIC言語で行った。

インターフェイスの設定
(4) メインメモリ領域の確保
 A/D・D/Aコンバータの制御は,機械語によって行う。そのため,機械語をメインメモリの機械語領域にあらかじめ書き込んでおき,必要に応じて使用する。一方,音声データは,メインメモリの未使用頷域に書き込みながら使用する。そのため,両者ともメインメモリに,それぞれの頷域を確保し,先頭アドレスを宣言しなければならない。コンピュータ制御は,常にメモリマップ(参照図VI)を意識してメモリを管理することが大切である。


メモリマップ例

3.まとめ

 本研究の音声プロセッサは,出力として音声を扱った。制御対象物をモータに置き換えれば,工業高校機械科の教材としてより実践的なものと発展させることができ,A/D・D/Aコンバータの働きによって,フィードバック制御の専門的な教材化を図ることもできる。このコンピュータ制御は,こうした実践を伴うものであるから教材として次のような利用ができる。

1.「計測」教材としての利用
制御と計測は,切り離せないものであるから,物理量の正確な計測を行うための測定装置としての利用が可能である。対象物理量として何を取り上げるか,データをどのように加工するかという観点で取り組めば,温度,光,速度,圧力等の計測に利用できる。

2.実践的なプログラム学習プログラムの作成は,ディスプレイ上での学習が多い。その点,コンピュータ制御は,具体的に量を測定したり,物を動かしたりするための処理を行うので,より実践的なプ回グラム学習ができる。コンピュータ制御は,プログラムミングの力がある人でも,はじめて取り組む場合は近寄り難いものである。しかし,概念さえとらえればそんなに難しいものではなく,アルゴリズムの工夫しだいで種々の制御ができるようになる。工業の撚斗だけでなく,理科や中学校「情報基礎」の教材としても,種々な観点や難易度に合わせた取り上げ方や活用のされ方が期待される。


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