福島県教育センター所報ふくしま No.104(H04/1992.8) -028/038page

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 遊び・非行から不登校になった生徒の事例 

1.はじめに

 学校外の遊興に興味が引かれ,万引き・喫煙などの不良行為や非行に走った中学3年生のB男が,担任からの温かい指導援助や家庭環境の改善が図られる中で,今までの自分の生活に目を向け,立ち直ろうとする気持ちを持ち始めた事例である。

2.問題の概要

 B男は入学してから半年間は問題なく過ごした。しかし,中学1年の後半から頭痛や腹痛など身体の不調を訴え始め,欠席が目立つようになった。中学2年になると,乱暴な言葉遣いをするようになり,非行仲間に入っていることや万引きしていたことが,級友の話から分かってきた。夏休み後,連続した欠席が増えたため,担任が家庭訪問をし母親と相談したり,本人への指導をしたりしたが欠席は続いた。
 10月の中ごろ,担任が,父親に会い今までの経過を説明したところ,父親は激怒し,B男と母親に暴力をふるった。父親はB男のことについて,何一つ母親から知らされてはいなかった。この日を境にB男は父親と対立し,まったく登校しなくなった。B男の生活は昼夜逆転し,暴走族,シンナー吸引,喫煙,不純異性交遊,家庭内暴力など非行の激しさが増していった。

3.B男のプロフィール

(1)家庭状況
家庭状況
(2)生育歴
 ・小太り ・ぜんそく
 ・身体に関してコンプレックスを持つ
 ・運動が苦手である
 ・成績が振るわない
 ・わがまま
 ・末っ子
 ・離乳が遅かった(1歳半まで)
(3)友人関係
・3人の仲間(同じクラス)万引き・喫煙を繰り返す
・暴走族リーダーAに強いあこがれを持つ
・特定の女子の友達を持つ

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