福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -007/038page

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2.児童による自主的な活動の例
 第4学年4組 学級活動学習指導案

6月 28日(木) 第5校時 場所 4年4組教室

1.議題名 「Mさんのおわかれ会のそうだんをしよう」

2.学級の実態と指導の意図
 1学期いっぱいで、Mさんが転校することになった。この知らせを聞いて、多くの子が驚くと同時に、さびしい気持ちになった。当の本人も内心では、さびしい気持ちでいると思われる。しかし、人間は、人生の中で何回か別れを経験し、そのつど成長すると言われる。別れる者同士の心を通じ合わせて、単なるお楽しみ会的お別れ会にならないように方向づけてやリたい。また、この活励を通してさらに、人と人とのきずなを大切にする子どもに育てていきたい。
 学級活動の話し合い活動の運営や進行の仕方については、まだ、子どもたちで進められるようにはなっていないので、事前指導に十分時間をかけていきたい。また、活発な話し合いになるように事前に話し合いノートに自分の意見や考えをまとめさせておいて、話し合いに臨むようにさせたい。さらに、友だちが発言しているときは、だまって静かに聞くという態度も身につけさせたい。

3.議題選定までの経過
 6月11日(月)の放謀後、計画委員会を開いて議題案を整理したところ、Mさんが1学期いっぱいで転校するので、「お別れ会」をしたいという議題案が提出されていた。議題選定の条件に照らしてみても、すぐ話し合ったほうがよいということになリ、12日(火)に朝の会でクラス全員にはかった。その結果、6月28日(木)の学級活励の時間は、「Mさんのお別れ会の相談をしよう。」という議題で話し合うことになった。

4.実施計画作成の経過と今後の活動
(1)問題提示・選択6月11日(月)帰リの会(教師、全員)
(2)議題の決定6月12日(火)帰リの会(教師、全員)
(3)原案の作成6月14日(木)放課後(計画委員会)
(4)原案の提示6月15日(金)帰リの会(計画委員会)
(5)話し合いの打ち合わせ6月26日(火)放課後 (計画委員会、司会、記録、提案者)
(6)話し合い6月28日(木)本時
(7)実施と反省6月30日(土)〜7月7日(土)

5.本時のねらい
 みんなで協力して、お別れ会にふさわしい集会活動の計画を自分たちの手で立てることができるようにする。

6.実施計画

実施計画

7.評価
 みんなで協力して、お別れ会にふさわしい集会活動の計画を自分たちで立てることができたか。

 この方法は,特別活動のねらいである児童の自発性,自治性を育てるためには最適のものと考えられるので,学級生活の充実と向上に関することなどの活動内容は,この方法によって指導することがより望ましい。また,ここでは,学級や学校にかかわる諸問題について,児童に自主的に話し合う内容を決めさせて取り組ませることが大切である。
 例示した指導案は,次の議題の条件をもとに,転校するMさんとのお別れ会の計画を児童たちの手で立てさせたものである。


【議題の条件】
 1. 学級生活の充実と向上にかかわる問題であること
 2. 学級の児童全員に共同の問題であること
 3. 児童の自治的な活動として解決できる問題であること
 4. 児童自らが解決の方法を見いだすことができる問題であること

3.教師の指導と児童の自主的活動を組み合わせて指導する場合の例

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