福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -009/038page

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所員個人研究
(中・高等学校 理科・化学)

RS-232Cインターフェースを利用した化学計測の試み

 科学技術教育部  佐 治 和 則


1.はじめに

 新学習指導要領では,小・中・高のすべての校種においてコンピュータの活用が位置づけられた。
 化学でもいろいろな分野にパソコンを利用することが考えられるが,特に化学計測への利用は有効である。しかし,現在のところパソコンを利用した化学計測が授業に使われている例は多くはない。それは,パソコンを利用した計測にはインターフェースやADコンバータ,センサなどが必要であり,それを製作したり,使用したりするのに専門的な知識が要求されるからである。
 RS-232Cは,ほとんどのコンピュータにパソコン通信用として標準装備されているインターフェースである。これを計測に使用すれば,特別なインターフェースを準備する必要はない。このRS-232Cを利用したADコンバータが比較的安価(商晶名AD-232,約2万円)で市販されている。本研究ではこのRS-232Cを利用したADコンバータがどのように化学計測に利用できるかを,いくつかの実験を通して調べた。


2.使用機器について

(1)RS-232Cインターフェース
RS-232Cインターフェースは,シリアル方式のインターフェースであり,これを計測に使用する場合には,次のような特徴があげられる。
1.規格が標準化されているため,汎用性がある。
2.使用する入出カポートが1つのため,プログラムが簡単になる。

(2)ADコンバータ(AD-232)
今回使用したADコンバータは,小型軽量で取り扱いが極めて簡単なもので,入力された0〜5Vの電圧の値を0〜255の整数値に変換する。

(3)温度センサ
温度センサとして,専用ICであるAD595ADを用いたクロメル・アルメル熱電対(測定可能な温度範囲は一200℃〜1000℃)を自作した。このセンサはいCで0V,100℃で1.00Vすなわち10mV/℃の出力特性を持ち,直線性が高いので温度補正をする必要がない。ただしICが若干高価(約8000円)なのが欠点である。その回路図は図1のとおりである。

AD595ADのブロックダイヤグラム

(4)電圧増幅器
 一般にADコンバータが取り込める電圧


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