福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -010/038page

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の幅には制限がある。そのため計測を行う場合には電圧増幅器を必要とすることが多い。本研究では,電圧を5倍と10倍に増幅できる反転増幅器を自作して使用した。その回路図は図2のとおりである。

図2 反転増幅器回路図

3.いろいろな化学計測の試み

(1)簡易ダニエノ屑池を利用したファラデー定数の決定
【実験の概要】
 素焼きの筒の代わりにセロハン膜を使用して簡易ダニエル電池をつくり,この電池から流れた電気量と極板の質量変化からファラデー定数やアボガドロ定数を求める。
 本実験では,回路に入れた抵抗の両端の電圧を測定することで,回路に流れる電流値を求め,時問と電流値のグラフをパソコンで描くようにした。(図3)時間と電流値を自動的に測定することで,測定誤差を小さくすることができるものと考えられる。

図3 簡易ダニエル電池の配線図

【実験結果と考察】
 パソコンを使うことでデータ処理が簡単になり,実験に要する時間を大幅に短縮できた。しかも実験誤差が少なくなり,かなりよい値を得ることができた。(表1)

表1 ファラデー定数とアボガドロ定数

(2)ヘスの法則の検証実験
【実験の概要】
塩酸と水酸化ナトリウムの反応の反応熱を測定して,ヘスの法則を検証する。温度センサを用いて温度を自動計測し,発熱量を求める。リアルタイムで温度を測定できるので,誤差を小さくすることができるものと考えられる。

【実験結果と考察】
表2は実験から求めた反応熱である。

表2 実験から求めた反応熱

文献値とかなりよい一致を示した。この方法は,温度変化をその場でグラフとして見ることができるので非常に分かりやすかった。

(3)ベンゼン溶液の凝固点降下度の測定
【実験の概要】
溶媒とその希薄溶液の凝固点を測促して,


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