福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -024/038page
<<学校からの実践報告> >
「社会的なものの見方や考え方」を身につけさせるための自己評価の工夫
−社会科の授業において− 浪江町立幾世橋小学校教諭 大 谷 一 裕
1.はじめに
社会的なものの見方や考え方ができる児童には,杜会的事象を正しくとらえ,多面的にみて,公正に判断しようとする姿勢がみられるにちがいない。
本校では,新学習指導要領の趣旨を踏まえ,「社会的なものの見方や考え方を身につけさせる授業はどうあればよいのか」を研究主題に掲げて,社会科の実践研究に取り組んできた。
そのなかで,児童に,社会的なものの見方や考え方がどう身についているか,自己評価を取り入れながら,実践を積み重ねてきたが,形式的・固定的になりがちであった。
そこで,次の学習に生きて働く自己評価の在り方について,4年生の杜会科を通して工夫してみた。2.仮説
1小単元1サイクルの学習(資料1)を繰り返すなかで,次のような自己評価の工夫をしていけば,児童一人一人に社会的なものの見方や考え方が身につくだろう。
(1) 小単元の計画づくりの段階において,児童が,自らの問題に応じて自己評価表を作成する。
(2) 学習を進める過程において,児童が,自分の活動について振り返り,自己評価をしていく。
3.研究の概要
(1)自己評価表の作成
@自己評価表作成の工夫
自分なりの学習計画を具体的に立てる段階において,自己評価表を作成させた。
(資料2)
初めは,教師が評価項目を決めて与えた。(「事実を正しく」「いろいろな面から」の2項目)しかし,それでは児童の主体的活動は望めないので,問題解決的な学習の各段階において,児童自身に評価項目を作らせ,自己評価させてみた。その際,自分の気持ちや願いなどをうまく記述できない児童には,評価記入例(資料3)を参考