福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -026/038page

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 また,児童が持っている知識や経験をもとにするといっても,個人では限界がみられたので,友達相互の考えを出し合わせたり,教師が援助したりして,予想や計画を確かなものにさせていった。

3.追究の段階
 自分が予想していたことが本当かどうか,確かめる証拠(事実)が見つからないときなど,予想を立て直してはどうか,別な方法で探してはどうか,友達の考えを参考にするためにグループ学習にしてはどうかなどという学習方法の見直しに,児童自身が気づくよう援助してきた。
 その結果,自己評価のなかに,「もっと詳しく知りたい」とか「初めて知った」などという記述がみられるようになった。
(資料6)

資料6 ノートのわきの欄に自己評価している例
4.まとめの段階
 あらためて自分の考えをまとめる活動である。追究の段階でも,自分の考えを確かにしながら学習を進めてきているが,ここでは,友だちの発表を参考にしたり,絵や図などに表現したりしながら,いろいろな事実をもとに,多面的にみて,「自分はこういうふうに考えてみた」という自分なりの見方や考え方をさせてきた。その結果,自己評価のなかに,「自分の予想とは違っていたが,かえって勉強になったなどという記述もみられるようになった。

4.おわりに

社会的なものの見方や考え方を身につけさせるため,自己評価の在り方を工夫してみた。
 その結果,教師から与えられた形式的な評価ではなく,児童自らが,次の学習に生きて働かせるために,主体的に自分の学習を振り返るようになってきた。
今後は,児童自身が,より質の高い自己評価をしながら,社会的なものの見方や考え方を伸ばしていけるよう発達段階に即した研究を進めていきたい。
<主な参考文献>
○小学校指導書 社会科編 (文部省)
○自己評価 〜「自己教育論」を越えて〜 (図書文化社)


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