福島県教育センター所報ふくしま No.105(H04/1992.11) -033/038page
エ・ 事前の準備 ...活動計画の公示後,自分の考えをまとめられない児童には,相談にのってあげたり励ましたりした結果,学級会ノートにまとめた考えをもとにして,自主的な話し合い活動ができるようになってきた。また,実態から解決に時間を要すると思われるグループ編成については,いろいろなパターンのグループ構成を実際に体験させ,自他ともに良い方法を考えさせ意見を発表させた。そのため本時では,自分たちにとって一番良い方法を短時間で決定することができた。
議長などの係になった児童たちも初めての経験なので,それぞれの任務の確認をし,練習の場を与えた。輸番制なので,能力差がある児童と組んだ場合には,お互いに協力して進めることの大切さを指導した。
3.話し合い活動の実際と考察(略)
4.集会の活動の実際と考察(略)
研修授業(事例1)をうけての集会活動の反省
私たちの演奏で,みんな楽しんでもらえたことがうれしいです
こんなすばらしい演奏会ができたのは,みんなの話し合いがとても良かったからだと思います。賞のことなど,係のことなど一生けんめい話し合いました。
それに,この記題の提案を出した人なんかすごいなあと思います。私は,今日の空きかん笛演奏会は.とても良かったと思います。
(3)検証授業の結果
学級活動(1)に対する取り組み方の実態調査の結果,意識の変容が見られた。事前指導の段階での適切な指導助言をすることにより,学級活動(1)の進め方が分かり,児童一人一人が意欲を持って話し合い活動に臨む態度カ清ってきたと言える。つまり,自分たちの選んだ議題の解決,計画委員会の充実,学級会ノートの活用など,事前指導の手だてがいかに大切であるかが分かった。5研究の成果と課題
(1)研究の成果
児童の作文から
4年生の時の学級会は.計画など立てないでやっていたけれど,5年生になってからは,計画を立てて能率的にできるようになった。司会をやった時は,緊張してうまくしゃべれなかったけど,1回やったので今度はうまくやりたいと思った。このごろでは,今までと違うところがいっぱいある。その中の一つとして,計画を立てて今までの進め方と違うことがある。だからそれになれてこれからも頑張りたいと思った。自分たちの生活を自ら改善向上させていこうとする態度が出てきた。これまで排斥的であった児童も集団の一員としての活躍の場とよさを認められるようになった。また話し合いが深まり,分担した係に責任を持って当たるようになった。このようなことから,明るくまとまりのある学級になってきた。
(2)今後の課題
児童が自ら進んで実践していく態度を育てていくためには,学級の実態に応じた適切な指導助言が求められる。
また,集団の中の一員であるという所属感と児童自身に意欲がないと自主的実践的な活動が生まれてこないので,集団の中の一員として個を生かすためには,一人一人の意欲を育て,一人一人を大切にしていきたい。