福島県教育センター所報ふくしま No.106(H05/1993.3) -013/038page
所員個人研究 −(高校物理)
屋 外 で 行 う 物 理 実 験 科学技術教育部 阪路 裕
1.はじめに
一般に,生徒は教室でじっとして講義を聴いているときよりは,体育の授業などで身体を動かしているときの方が生き生きとしている。物理の場合,生物や地学のように野外に出て観察や実習を行うということはあまりないが,工夫すればできないことはない。むしろ屋外でなければできない実験もある。
屋外で行う観察,実験をいくつか工夫してみたのでその概要を紹介する。2.屋外で行う観察,実験
(1)かけ足や自転車の運動
1.校庭に図1のような長さ50mのコースをつくり,かけ足および自転車で全力で走行する。
2.図1のA〜Eが10mごとの通過時刻をストップウオッチで測定する。
3.各区間の平均の速さを求め,グラフを描いて,かけ足,自転車それぞれの運動の様子を調べる。
写真は自転車の運動を調べているところである。また,実測して描いたV-tグラフを図2に示す。
これによると,いずれもスタートして初めの数秒間は,ほぼ等加速度運動をし,その平均の加速度は,かけ足の場合3.0m/s2,自転車の場合1.6m/s2と求められた。