福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -024/038page

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生徒指導・教育相談実践講座

 あ な た も カ ウ ン セ ラ ー 

−集団不適応児童生徒への指導援助−

教育相談部  金 谷 哲

107号 多動傾向(LD)から集団不適応に陥った児童生徒への指導援助
108号 場面かん黙のために集団不適応に陥った児童生徒への指導援助
109号 いじめのために集団不適応に陥った児童生徒への指導援助
110号 対人不安から集団不適応に陥った児童生徒への指導援助

 学校には,社会性の未発達や対人関係の未熟さ,多動傾向などさまざまなことが原因となって,集団にうまく適応できない児童生徒がいます。このような児童生徒は,集団に不適応感を持ち,本来持っているよさを発揮できない状態にあります。
 これらの児童生徒の健全な発達を促すためには,自己実現を図ることができるように個に応じた指導援助を行い,集団不適応を改善していく必要があります。
 今回は,多動傾向(LD)から集団不適応に陥った児童に対して,担任が教育センターと連携を図って指導援助を進めた事例を紹介します。


○LD(学習障害)とは

 児童生徒の多動傾向は,その原因がLDの場合があります。LDとは,日本語では「学習障害」と訳されています、LD児は知的レベルは正常,あるいはそれ以上であるのに,学習する能力の一部に障害があるといわれています。
 LD児の行動の特性は,時として多動,注意集中困難などさまざまな適応上の問題を引き起こしたりするために,親や教師を迷わせ悩ませることになります。

微細脳機能障害の分類

 このような行動上の問題は,環境や周囲の人達のかかわりかたによって大きく変わりますし,成長するにしたがって改善され個性の範囲として見られるようになった例もあります。
LD児は,その本来の障害よりも行動上の問題が原因となって 注意,叱責されることが重なり,自己イメージを悪くしていくこと(二次的な情緒障害)の方が大きな問題 になるといわれています。


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