福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -028/038page

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研修者研究報告
(学校経営A講座)

研修意欲を高め,個人研究を深める校内研修組織と運営の改善

 福島市立多月輪小学校校長
(前福島市立吉井田小学校教頭)
 
遠 藤 忠


1.研究の趣旨

 本校では,学校経営の方針の一つに,「豊かな人間性をもつ教師となるよう研修を重視し教職経験それぞれの年代に応じ,主体的に自己の専門的な管理育肋の向上と幅広い研究と修養に努める」をかかげ平成2年度から研修の原点である個人研究「一人一研究」を実践している。研究主題を「自ら意欲をもって,生き生きと学習に取り組む児童の育成−指導法の工夫・改善−」と設定し,個々の教師がもつ教育課題や個性を生かす観点にそい,各自カ測主題を設定して研究実践に取り組んできた。
 しかし,昨年度の校内研修の主な反省点として次のようなことがあげられた。

(1) 自由な発想で自分の課題を追究できるが,研究の手法やまとめ方等の研究が足りなかった。
(2) 児童の変容をとらえるのに,データの集約や考察するうえで内容的に乏しく,部分的にしか変容をとらえられなかった。
(3) 授業研究のための事前・事後の研究の回数が多くなり,時期的にも重なるなど時間不足の問題があった。研修時間の確保と全体研究計画の改善検討が必要である。
(4) 個人研究のため研究内容や文法について不安がある。

 このような反省から,自由な発想で個人研究を充実することはできたが,科学的・実証的な研究手法上での不安という問題がでてきた。そこで,本年度は共同研究の利点を個人研究に生かす組織や運営に改善しながら個人研究を継続していくことで出発した。
 その手だてとして,教師一人一人の研修意欲を高め,個人研究を更に充実し深めるために,校内全体研究との有機的な関連を図り,どのような組織と方法で研究を進めることカ清効か1. 計画の整備,2. 組織体制づくり,3. 研究方法,4. 教師の意識の面から教頭として適切な指導助言のあり方を明らかにしたいと考え,本主題を設定した。

2.研究の見通し

 校内研修において,一人一人の研究を深めるために,研究の手順を明確にし,共有的な研究の場と機会を設定するなど組織と運営を工夫すれば協働意識の中での教育研究の進め方がわかり,更に研修意欲を高め,個人研究を充実させることができるであろう。

3.研究の方法と対象

(1) 研究の内容・方法
 1.校内研修についての現状把握と問題点の分析
 2.研究手法の明確化
 3.全体研究推進計画と研究組織運営の改善
 4.効果的な授業研究の進め方
 5.研修だよりの発行

(2) 研究の対象(省略)

4.研究推進計画(省略)

5.研究の概要と考察

(1)研究組織の見直し・改善
 個人研究と校内全体研究との有機的な関連を図る組織にしていくことが必要であった。そのためには,組織が機能を発揮して円滑に動き,全校的に校内研修の目標を達成しようとする協力体制をつくることが大切である。
 そこで,平成4年度は研究組織に新たに課題グループ,学年ブロック会を新設し,研究推進委員会,研究協議会を拡充した。共同研究のよさを生かす研究推進の効率化を図るとともに,協働意識壱高め自信をもって研究で


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