福島県教育センター所報ふくしま No.107(H05/1993.6) -030/038page

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校長,教頭で次のような内容で発行した。
 ・授業の本質に関する話題・読書紹介
 ・研究のすすめ方に関する話題
 ・教育に関する時事的な話題

<考 察> 新しい情報や再認識できる情報は研究唯進上あるいは意欲化を図る上で効果があると思われる。積極的な活用を図るために形式や内容,量,定期的な発行等について工夫が必要である。

(2) 校内研修についての意識の変容と考察
 校内研修についての意識を「研修への関心・意欲」,「取り組み方」,「個人研究の進め方」の観点でアンケート調査を実施し,その変容を調べてみた。

○調査 6月・11月 ○単位%
調査1 校内研修への関心・意欲について
校内研修への関心について 6月 11月 比較
ア 積極的である

5

9

4

イ 普通である

76

77

1

エ 消極的である

14

14

 
オ ない 5 0 -5
カ その他

0

0

0

校内研修の必要性について 6月 11月 比較
ア やらなければならない 76 82 6
イ 消極的である 19 18 -1
ウ 必要ない 5 0 -5
エ その他 0 0 0

 [考察] 大部分の教師は,研修の必要性を認めているが,関心度は「消極的である」「ない」を合わせると19%あった。
 11月の調査では僅かながら意欲化が図られつつあった。

調査2 校内研修の取り組みについて
校内研修で満足感を感じるときについて 6月 11月 比較
ア 共に学ぶ姿勢で積極的に参加しているとき 52 59 7
イ 自分でも研究し準備をしているとき 29 36 7
ウ 黙って聞いているとき 0 0 0
エ その他 19 5 -14


研修時間の確保について 6月 11月 比較
ア 月や週計画に位置づける 0 0 0
イ 休み時間や放課後 19 18 -1
ウ 行事の少ない時間や長期の休業期間 33 41 8
エ 特に確保してない 43 36 -7
オ その他 5 5  
研修協議会への参加について 6月 11月 比較
ア 積極的に意見を出す 14 14  
イ できるだけ意見を出す 67 68 1
ウ 意見を述べず黙っている 19 18 -1
エ その他 0 0 0
授業研究を行う時について 6月 11月 比較
ア 自分のためにも努力する 33 41 8
イ 研究の意図を果たすよう努力する 57 54 -3
ウ 授業だけは行う 5 5  
エ その他 5 0 -5


 [考察] 授業研究や研究協議会への取り組みに前向きの姿勢が見られた。しかし,研修時間の確保について苦心しているようすがうかがえた。

一人一研究によって 6月 11月 比較
ア 意欲がでてきた 10 23 13
イ 変わらない 62 68 6
ウ 意欲がなくなった 14 9 -5
エ その他 14 0 -14
効果的な進め方について 6月 11月 比較
ア 個人研究である 10 23 13
イ グループ研究である 47 36 -11
ウ 共同研究である 38 41 3
エ その他 5 0 -5


 [考察] 個人で行う研究の進め方や内容に不安があるなどの理由で個人研究の継続を希望する職員が少なかった。しかし,11月の調査ではグルーフ研究のよさを生かしながら進める個人研究の支持が13ポイント増えた。

(3)研究のまとめ
 個人研修を深め,研修意欲を高めるために研修組織と運営の面から,幾つかの試みをしてきたが次のような成果がみられた。

1. 研究の進め方や成果の共有化を図る研究組織と運営が意識調査やアンケーと調査から効果があることがわかった。
2. 研修主任や研究推進委員会のリードが意欲を高める上で効果があることがわかった。
3. 「学級の実態から解決しなければならない問題を取り上げることができる」,「新学習指導要領の完全実施にともない生活科や性に関する指導などについて研究できる」という理由で個人研究のよさが認められるようになった。

6.今後の課題

(1)個人研究としてのメリットを生かす研究推進を意欲の喚起の点からさらに工夫する必要がある。
(2)児童に変容が見られたという充実感や存在感をもつことが意欲の高揚に不可決である。そのために,研究の一部を各個人が分担し,一つの研究としてまとめていく研究手法を工夫する必要がある。


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