福島県教育センター所報ふくしま No.108(H05/1993.8) -003/038page

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 1. 外国人に対する日本語教育システムの充実,外国人子弟を受容する教育システムの確立。
 2. 日本人に対する外国語教育システムの充実。
 3. 世界史,世界地理,異文化理解,開発教育,など「国際教育」の強化・充実(国際教育については『総合教育技術』本年8月号の拙稿「なぜ国際教育の取り組みが進展しないのか」を参照されたい)。
 4. 帰国子女教育の充実。

(3)高齢化と教育の対応
 高齢化は,教育面にも様々な影響を与えている。高齢化に伴う新たな教育課題は次のようなものである。

 1. 「高齢者理解教育」 ・・・・・ 青少年に対する教育の課題である。高齢者の生理や心理,経済的・社会的地位などに関し,青少年の理解を深め,高齢者の生活に対する必要な援助をする態度を養う教育である。
 2. 「向老期教育」 ・・・・・ 主として成人に対する教育課題である。自らが高齢者になる存在であることを自覚させ,それへの心構えをつくる教育である。高齢者理解教育の中にも,一部は組み込まれて良いであろう。
 3. 「高齢者教育」 ・・・・・ 高齢者自身に対する教育である。高齢者の抱える課題に教育の側面から応える営みと言って良い。新たな学習課題への挑戦を意図する高齢者,学習課題を持たず,生きる意欲を見失っている高齢者など,多様な課題を持つ高齢者に教育的援助をすることである。特に,人間関係が希薄になりがちな高齢者が多いことを考慮すれば,高齢者のグループ・サークノ噌動への援助は,重要な教育課題であると言って良い。

(4)地域共同体の解体と教育の対応
 地域共同体の解体は,都市化の進展とともに一般化した。地域共同体の解体は,
 1. 子どもの生活指導面における地域共同体の教育力の低下。
 2. 地域の自治的活動の低下,という問題につながる。

 そこで,教育には,次のような対応策が必要となっている。
 1. 地域共同体の意義を認識するための教育の実施である。こうした教育は学校教育の中にも杜会教育の中にもいっそう積極的に取り入れられる必要がある。
 2. 地域共同体の再生に関する実質的な取り組みである。こうした取り組みは学校教育,社会教育の協働によって深められると思う。学・社連携は,このような具体的な課題を担ったとき,重要な意味を持つに違いない。子どもと成人とがともに取り組む課業を設定し,実行するというのが具体的な手立てであろう。近年,地域の清掃作業や空き缶などのゴミの回収などに取り組む例が増えているのは,この具体化の例である。

(5)家族形態の変容と教育の対応
 家族形態の変容のうち,学校教育の視点から見て重要なものは,核家族化と少子化とである。これらは,具体的に次の


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