福島県教育センター所報ふくしま No.108(H05/1993.8) -013/038page
所員個人研究
地域の学習素材を生かした生活科の指導の工夫 〜自己評価カードと援助・評価カードの活用〜 学習指導部 大 友 誠
1. 研究のねらい
生活科における直接体験は手段ではなく,目標そのものとなる。そうした体験に児童一人一人がどう立ち向かっているか,その内面を見取り,支援していくことはもっとも大切な指導となる。
ここでは,「秋となかよし」の単元において,児童の活動が連続し,発展するための支援の在り方について研究を試みた。2. 研究の実際
(1) 自己評価カードについて
児童が学習を振り返ったり,教師が児童の学習意欲や興味関心をとらえ,指導に生かしたりするうえで,自己評価を重視したいと考えた。
本単元では,活動のまとまりごとに「できたぞカード」と名付けた4種類を準備して,学習終了時に記入させた。学習を振り返り,該当するところに○をつける短時間の作業である。ただし,「できたぞカード」2,3は,自由記述も取り入れた。
以下は,カードの具体例と考察である。
1. 「できたぞカード」 1
紙袋に入れた木の実(松ぼっくり,どんぐり)や木の葉(いちょう,もみじなど)の実物,テ・プレコーダーでスズムシやコオルロギの鳴き声を提示し,名前当てクイズをした後,正答割合や活動意欲を把握するために記入させた。
ほとんどの児童が名前を知っていた。もみじの葉っぱから,「まっかな秋」の合唱に発展するハプニングもあった。
2. 「できたぞカード」 2
近くにある丸山公園で木の実や木の葉さがしをした後で,活動の様子や協力などについてとらえるために記入させた。
「じまんしたり,しらせたいこと」の主なものは,松ぼっくりをたくさん拾ったこと,もみじやいちょうの葉を拾ったこと,